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インタビュー


乗ったら車が話しかけてくる。そんな未来は、もう近い①

Beat-Sonicの堀内さん

最近、テクノロジー系のニュースで見かける〈コネクテッドカー〉。次世代の新型車と言われても、まだ実感が沸きにくい人も多いと思うが、今持っているスマホ+今乗っている車のナビをつないで、近いコトができるとしたらどうだろう。自分の手で、車を今より便利にカッコよくするのがDIYの本領。だとすればコネクティッドカーは、それほど遠い存在ではないかもしれない!


 水道の蛇口をひねったら水が出るように、車に乗ったら車載AI(エーアイ)が話しかけてくるようになる。どれだけ未来の話? と思うかもしれないが、案外、ほんの数年先の話かもしれない。

……そんなビジョンを語るのは、ビートソニックの堀内サン。

Beat-Sonicの堀内さん

ビートソニック
堀内雄一氏


ちなみに、DIYLabo内では「堀内研究員」(↓)

堀内

DIY Laboアドバイザー:堀内雄一
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニック 中でもスマホと車をつなぐカーエンターテイメント事業の立役者が堀内氏。先見の明がありすぎて(?)社内では宇宙人と呼ばれるほど!? ●ビートソニック TEL 0561-73-9000 

車載AIがある、未来のカーライフはどうなるのか

 朝、いつものように車に乗ると……、

車載:おはよう!
自分:あ〜。おはよう〜。
車載:まだ眠い?
自分:眠い。ダルい。
車載:私も眠い。
自分:え? AIなのに?
車載:冗談w。

……こんな感じか。しかし、まだまだ実感は沸いてこない。

 そういう機能を搭載した車も、今や作れる段階にきています。とはいえ確かに、まだ一般的ではありません。

 ここでまずは、すでに多くの人が持って使っている、スマートフォンで考えてみてください。スマホは(AIではなく)コンピュータですが、スマホ側からメッセージが届きます。しかもネットワークにつながっています。

「LINEが届いたよ」
……の『ピロン♫』とか。

もう、当たり前に使われている機能ですね。この機能を〈プッシュ〉といいます。

 プッシュの意味は、オススメとかお知らせ。スマホが今までのツールと決定的に違うのは、プッシュがあることです。

『ピロン♫』がプッシュ。わかりやすい例ですね。

 Google(グーグル)の警報などもそう。『大雨洪水警報が出ました』とか。今、そのスマホの持ち主がいる位置情報がわかっているから、送られてくる。その人にとって必要な情報を、Googleが考えて、オートでやっているんですね。受け取った人は、「あ、早く家に帰らねば」など、対応を考えることができるわけです。

そんな便利なスマホと車をつなぐ技術、およびアイテムの充実が、ビートソニックの強み。「スマホと車のナビをつなぐ方法(第1回〜第5回)」は、DIYLaboでもよく読まれている人気記事だ。

iPhoneの画面をミラーリング

iPhoneを純正ナビに無線でミラーリング中

「iPhoneの画面を車のナビに映す無線ミラーリング方法」参照。

androidの場合のリアル配線

androidの有線ミラーリング配線図例

「スマホ・タブレットの画面を車のナビに映すミラーリング方法」参照。


「ミラーリング」が進化して、車載AIにつながる

現在まだ車載AIは登場していないが、未来の車載AI的なものにつながっていくのが「ミラーリング」。スマホの映像や音声を車のナビで再生する方法だ。

 ビートソニックがミラーリングを可能にするHDMI(※)関連の機器を作り始めたのは、5年ほど前からです。今どきは多くのスマホにHDMI出力があるのですが、当時はiPhoneにも付いていませんでした。

※HDMIとは、ハイビジョンの映像と音声を、デジタル信号のまま、1本のケーブルで取り出す規格。くわしくは「車とスマホをつなぐ方法╱HDMIってなに?」参照。

 で、当時、僕はGalaxyタブレットを持っていまして、それにはHDMI出力があったんです。というか、Galaxyタブくらいにしか、HDMI出力がなかったような頃ですね。

 ようやくスマホのナビアプリが、現実的に車で使えるかな?……という時期でもありました。まだ、だいたいは遅いし不安定でしたが。
 そんな中で、アイシンAWのナビアプリ、NAVIelite(ナビエリート)はよかったです。起動も速い。トヨタ純正ナビの画面が、そのままスマホに映って、地図データのダウンロードもできる。年間3800円のアプリ代でナビ代わりになり得るな、と初めて思えました。

Beat-Sonicの堀内さん

デジタル系全般にくわしい堀内研究員。スマホ・タブレット等のデバイスはもちろんのこと、アイシンAWの本格ナビアプリから、LINEの女子高生AI「りんな」ちゃんの話題まで。

 ただ、僕は7インチのタブレットだったのでアプリの地図も見やすかったんですが、普通のスマホだと、(その頃はまだ画面も小さくて)見やすくなかった。車のナビ画面に、スマホで見ている地図を出せたらいいのにな〜と、その時に思ったのが、IF(インターフェイス)シリーズの開発のきっかけになりました。

ミラーリングをやる際の主役アイテム╱IFシリーズ。スマホのキャリア、機種、有線か無線かでも使用するものが変わってくる。

Beat-Sonic lF27

スマホの画面を無線で純正ナビにミラーリングするアダプター。iPhoneにもandroidにも対応。USB電源ポート搭載で、スマホの充電もできる。

Beat-Sonic lF27

Beat-Sonic lF16STA

有線ミラーリング用のIF16STA。iPhoneにもandroidにも使われる。無線と違って別途用意するケーブル数が多いが、映像や音声の安定性は高い。

Beat-Sonic lF16STA

IF27は無線で、IF16STAは有線。そういう違いはあるが、デジタル信号をアナログ信号に変換するという役割は同じ。「スマホの画面をナビに映す仕組み」は、ザックリとこんな流れだ(↓)。

✔ スマホ側の映像出力はHDMIという規格。デジタル信号。
✔ デジタル信号はそのままでは車のナビやモニターに入力できない(新型車除く)ので、IF27やIF16STAなどがアナログ信号に変換。
✔ 変換されたアナログ信号は、純正ナビの外部入力に入れられる。

 DIYLaboでは「車のナビとスマホをつなぐ」を解説してきましたが、車だけでなく、今は家電でも何でも、ネットやwebにつなぐ時代。つなぐことで、より便利にしていこうという。これは、世界的な流れです。

 インターネットにつなぐ車は、世界で〈コネクテッドカー〉と呼ばれていたりします。〈コネクテッドカー〉は次世代の車ですが、今、現実に車とネットをつなぐというのは、具体的には『スマホとつなぐ』ですね。

ビートソニックは、取り組みがかなり早かったですよね。

 IFシリーズの開発は、かなり早くからやれました。おかげで多くの技術を積み上げることができました。これは、今後に生かせると思うんです。

 今までは、つなぐだけの「ミラーリング」。スマホの映像や音を出力するのみです。その点では、DVDプレーヤーのよう。しかしスマホは、明らかにDVDプレーヤーとは違います。

 それが、最初にお話した〈プッシュ〉の機能。ビートソニックの役割も「ミラーリング」を超えた、「プラットフォーム」の提供になると考えています。

 キモはプッシュをどう有効に使えるか。プラットフォームはまだまだ基礎の段階で、進化します……というか、させていかなければ! ですね。そうすれば、より便利に、もっと面白いサービスの提供が可能になるはずなので。それが開発の仕事の、一番の動機・モチベーションです。

その先に、いよいよ車載AI? インタビューの続きは次のページへ。

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