80系ハリアー・リアウインカー移設の問題点(後編)
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80系ハリアーのリアウインカー移設には成功した。しかしその代償で追い出される、ブレーキランプ・その後の展開。ブレーキランプに必要な「明るさ」が出せる上、「放熱」にも有利な移植先を見いだせたが、加工するからにはデメリットもある。それは……
純正ウインカー位置に、ブレーキを移設するパターン
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「80系ハリアー・リアウインカー移設の問題点」の続きです。
●DIYラボ本館:イルミちゃん
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リアウインカーを上に移設するにあたり、ブレーキランプをどうするかという問題についてですが……
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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テールランプ内では難しい、という点は分かりました。
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残されているのは、純正でウインカーだったスペースを使う方法です。
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……ん?
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もともと下にあったウインカーを上に移設した。つまり下に「空き」ができました。
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あ!
そういえば…… -
ウインカーとブレーキランプを、入れ替えるような格好ですね。
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確かに。
その手がありました。 -
下の純正ウインカー位置を、ブレーキランプとして光らせる場合は、明るさも出せます。
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実際に施工した状態を見てみましょう。
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このブレーキ移設技で用いたブレーキランプの光源は、80系ハリアーの純正ブレーキランプで使われているLEDなんですよ。
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ほう? 純正のブレーキ用LEDをそのまま下に移植したってこと?
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そうなんです。形状的には、バルブみたいな形のものにLEDが実装されています。最近の車で、よく見かける構造ですね。
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それを下に持っていって、付くものなの?
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きりかきの部分などが合うように、少し加工すれば付きました。
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へぇ。
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このパターンの場合は、ブレーキランプの明るさの問題は解決できます。
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シーケンシャルウインカーやイルミラインともかぶってこないからハッキリ見える、というのもありますね。
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熱問題に関しても、テールランプ内のブレーキ移設よりも有利なんです。
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ランプ自体は小さそうですけど?
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しかし、純正でしっかり放熱も考えて作られた機構をそのまま生かすので、人肌の温度にもならないレベルです。
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そうなんだ。
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ブレーキランプのLEDは、ウインカーの断続信号に比べると放熱的にシビアな面がある。その点では、下に移設するパターンは安心感があります。
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あー。
渋滞のときとか、熱がシビアそう。 -
テールランプのイルミラインの一部をブレーキ化する場合、これ以上の明るさを求めると放熱が追いつかない、という問題も出てきます。
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テールランプへのブレーキ移設に比べて、デメリットが少ないんですね~。
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そうですね。ただ、ウインカー位置への移設にデメリットがないわけではありません。
純正ウインカーを加工することで、純正復帰できなくなるのがデメリット
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本当は、純正ウインカー部分は加工したくない場所ではあります。球屋の考え方としては。
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加工の難易度が高いってこと?
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いや、そうではなくて、「元の純正ウインカー部分は触りたくない」という意味ですね。
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ウインカーはテールランプに移設するっていう話なんだから、純正ウインカーはいらないのでは???
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純正を触りたくないのは、スイッチひとつで純正復帰できるようにするためですね。純正復帰は重要なポイントですから。
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あー。
そういうことかぁ。 -
加工するにしても、純正の点灯状態に戻せる、というのが理想の完成形ではあるのです。
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なるほどね。
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しかし、純正ウインカー部分まで加工してしまうと、「スイッチで純正復帰」は出来なくなってしまいます。それがこの移設パターンのデメリット。
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この場合は、テールランプも下のランプも、両方加工するから……
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一度加工したテールランプやウインカーランプを元に戻すことは、基本的にはできません。完全に純正に戻したいなら、両方の純正部品が必要になってしまいます。
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加工する、っていうのはそういうことですね…。
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だから、理想的なやり方とは言えないんですけど、今回の80系ハリアーのリアウインカー移設に関しては、このあたりが現実的な選択になるのかな、と思います。
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落としどころは見えてきた感じがしますね。
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ここまで解説してきたようなメリット&デメリットを踏まえて、近いうちに、球屋として完成版メニューを公開予定です。
現時点では、球屋公式Webサイトの「80ハリアーのカスタムメニュー」には未掲載。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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