通好みの電装カスタム
バックドアが足で開くハンズフリー機能をDIYで後付けする方法(後編)
- 1
- 2
足で開くハンズフリーのバックドア(リアハッチ)機能を、DIYで後付けする方法の後編。足に反応するセンサーの配線は、見えないように隠しながら取り回す。仕上げの電源と信号線の取り出しは、グローブボックス裏のコンピューター付近で一網打尽。
リアからフロントまで配線を隠して取り回しする方法
-
この記事は、「バックドアが足で開くハンズフリー機能をDIYで後付けする方法」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
-
前回は、リアバンパー下に付けたセンサーの配線を、室内側へ引き込むところまで解説しました。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
-
とりあえずラゲッジルーム(荷室)の底まで配線が通った段階ですね。
-
次はこの配線を、フロント方向(助手席足元)まで取り回ししていきます。
-
配線は、見えないように隠したいです。
-
そうですね。DIYで作業するのを想定して、最小限の内張りバラし作業で、効率良く配線を隠していく方法を解説しましょう。
-
センサーの配線以外でも、役立ちそう♪ なお、モデル車は引き続きハリアー(60系後期)です。
-
まずは、ラゲッジ側面の内張りと収納ボックスの間に配線を隠します。
-
ここは押し込むだけですね。
-
そうですね。特に工具も必要なく手で押し込んでいるだけです。
-
ラゲッジルームからリアシート側に渡るポイントで、チラっと見えていますが、これはラゲッジ周りのパーツを戻せば見えなくなります。
-
リアシート横の内張りのスキマに隠しながら、足元まで配線が来ました。
-
ここからはステップのパネルを外した中に隠します。
※ステップパネルは手で引っ張って外せる。
-
ここで、Bピラー根元のパネルまでは外さなくても、前後のステップが外れていれば配線を押し込みながら隠せることも多いです。
-
Bピラーを外すためには、シートベルトも外さないといけない。外さずに済むならば、このほうがいいと思います。
-
そして、助手席横のステップ裏を通しながら、ダッシュボード下まで配線を運びます。
-
あとは接続コネクター等を使って、ユニット側の配線とつなぎます。
-
ここで注意。この接続は、同じ色のコード同士をつなぐわけではありません。説明書に書いてある通りの組み合わせでつなぎましょう。見ないでやれば、確実に間違えます。
配線が見えなくなった
※使ったことがない人は、「接続コネクターの正しい使い方と、付け方」参照。
必要な電源と信号線は、グローブボックス裏のコンピューター付近で取り出す
-
あとは「ユニットの動作に必要な電源線・信号線を取る」作業です。
-
イージーオープンキット・バックドア用取り付けで、車両側から取る線を整理すると、以下の通りです。
-
IG電源、常時電源、アースはまあ、一般的ですが……バックドア何チャラ線みたいので、ココロが折れそうですね。
-
カンタンに説明しておくと、バックドア開閉検知線とは、ドアが開いているのか・閉じているのかを検知するための線ですね。
-
フムフム。
それはわかりやすいです。 -
バックドアオープンスイッチ線は、バックドア外側に付いているスイッチの線のことです(押すと開くボタン)。
-
そしてバックドアコントロール線は、運転席の横に付いているスイッチの線です。
-
なぜ、これらの線を取る必要があるかは、「バックドア(リアハッチ)が足で開くハンズフリー機能は後付けできる」で触れた通りですが……
-
問題は、どこからこれらの線を取るのか?
-
各スイッチ裏にアクセスして取り出す方法では大変なので、ここではハリアーを例に、助手席側グローブボックス裏のコンピューター付近でまとめて取りましょう。
-
それでは、グローブボックスを外してみます。
-
ハリアーの場合は、まず横のダンパーを外します(↓)
-
そして、グローブボックス左右を中央方向に押し込みながら、外します。
-
外れたら奥を覗き込むと……配線のカプラーが大量に見えます。
-
ハリアーに限らず、最近のトヨタ車ではグローブボックス裏のBCM(※)に各配線が集まってきています。
(※)ボディコントロールモジュール。車載コンピューターのひとつ。
-
それが、この配線の山なんですね。
-
ここから必要な線をまとめて取れるんです。
-
それはいいのですが……こんなにいっぱい線があるのに、どうやって調べたらヨイのか?
-
確かにココから取る場合、事前に配線情報がないと現実的ではない。そこでコムエンタープライズで、車種別に配線情報を公開していきます。
-
なお配線情報が未公開の車種でも、自分で線を探せる(各スイッチ裏から取るなどの方法もある)ならば、取り付けできる車種もあります。
-
ただ、こういうリクツが分かっていなくても、車種ごとの配線情報にしたがって機械的に付けることはできますね。
-
今回のハリアーでいうと、グローブボックス裏から、バックドア開閉検知線、常時電源、アース、IG電源、パーキングブレーキ線がまとめて取り出せます。
-
純正配線につなぐところは、エレクトロタップを使っています。細線用を使うことが多いです。
-
そして、もっと下のほうにあるヒューズボックス底の付近から、バックドアコントロールスイッチ(運転席のスイッチ)線が取れます。
-
そして助手席側キックパネル裏から、バックドアオープンスイッチ(バックドア外側スイッチ)線が取れます。
-
車両側から電源と信号線が取れたら、それらの線がまとまっているメインハーネス、後ろから運んできたセンサー線、それから設定スイッチの線の3つを、ユニット本体につないで作業終了です。
-
ユニット本体は、センターの後ろなどに隠しておきます。
-
目的の線がどのカプラーのどの線なのか、という情報が分かっていれば、作業は機械的なので意外とシンプルです。
✔ IG電源(またはACC電源)
✔ 常時電源
✔ アース
✔ サイドブレーキ線
✔ バックドア開閉検知線(カーテシ線)
✔ バックドアオープンスイッチ線(バックドア外側のスイッチ)
✔ バックドアコントロールスイッチ線(運転席横のスイッチ)
写真はハリアー。運転席からもパワーバックドアの開け閉めができる。
マ
メ
知
識
■ 参考までに触れておくと、スイッチ関連の線は、スイッチが押されたときだけアースに落ちる(0Vになる)仕組みになっている。
■ それ以外のときは微弱な電流が流れているので、検電テスターが弱々しく反応して、スイッチが押されると、その瞬間は0Vになって反応が消える。
■ このリクツが分かっていれば、テスターを使って自分で探すことは可能だ。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。勉強家。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
関連記事