バッフルボードの疑問
バッフルボードをゼロから作ることに、意味があるケース
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バッフルボード自作はできる。しかしわざわざ自作するメリットは少なめ…というのが前回の回答だが、バッフルボードを作らなければいけないケースもまたあるので、その点についての補足解説。
海外製スピーカーだと市販バッフルボードで対応できないケースもある
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●レポーター:イルミちゃん
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前回、今どきは市販のバッフルボードが安く売られているのでわざわざ自作するメリットは薄い、というようなお話をしましたが……
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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ふむ。
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そうはいっても、ゼロからバッフルを作らないといけないケースもあります。今日はこのパターンのお話です。
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それはどういう状況でしょうか?
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まずは、海外製スピーカーでありがちなケース。
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フムフム。
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国産スピーカーなら国産のバッフルボードでほぼ対応できると思いますが、海外ブランドのスピーカーだとちょっとだけサイズが大きかったりして、「市販のバッフルボードでは入らない」なんていうことが起こりえます。
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それは……スペック上は同じ17インチサイズでもビミョウに違うってこと?
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ハイ。海外製だと「ちょっと合わない」みたいな、イレギュラーケースはたまにあります。
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だとするとそのスピーカーに合わせて、実測で穴を開けるしかないですね。
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カーデンでも最近は市販バッフルを使うことが多くなりましたが、そういうときにはゼロからバッフルボードを作ります。
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なるほど、なるほど。
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もうひとつのケースは、アウターバッフルまで作り込むケース。
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アウターバッフル……ってなんでしたっけ?
市販のバッフルボードはインナー前提。アウターの場合は…
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アウターバッフル加工とは、ドア内張り内部に収まらないスピーカーの取り付け方のことです。
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スピーカーを外側にオフセットさせて取り付けることにはメリットもデメリットもある、という話は以前にしましたよね。
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ああ、そうだ。インナーバッフルとアウターバッフルの二種類があるんでした。
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で、市販のバッフルボードというのは、インナー前提の形状です。
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フムフム。
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なぜならドア内張りを加工してまでスピーカーを外側に出す、なんていうことは一般的にはしないので。
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そりゃそうね。
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市販のバッフルボードはドア内張り内にスピーカーを収めきる前提があるので、スピーカーの高さについてはそこまで攻められない。
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薄く作ってあるってことね。
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そうです。しかし、アフターまで作り込んでスピーカーを外側にオフセットさせるとなったら、バッフルには厚み(高さ)が必要になります。
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確かに。分厚い土台が必要になる。
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そういう場合は、自作するかワンオフ加工で作ってもらうしかありません。
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そこまでこだわる人なら、バッフルボードを自作する意味も明確にあるんだ。
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逆にいうと、アフターバッフル加工まではしないのあれば、通常は市販のバッフルボードで対応できるということです。
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……とはいうものの、自分の車種に自分の付けようとするスピーカーが付けられる組み合わせのバッフルがあるかないかは、確認しないといけませんね。
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そうですね。ただ国産車で、国産スピーカーを取り付ける分にはだいたいはあるはず。スピーカーサイズはだいたい決まっているし。
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なるほど、なるほど。
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自作しようとすると素材はMDFなどになってくると思いますが、市販のバッフルボードならアルミとか鋳物とかもあったりして、素材にもこだわれます。
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そっか。自作の場合は、素材は限られるなぁ。
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ですので「必要に迫られて作るケース」を除けば、わざわざバッフルを自作するメリットは薄いとは言えますね。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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