片面ブラストVS両面ブラスト。アクリルLED導光対決…!
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「片面ブラスト」と「両面ブラスト」のアクリル板を2枚並べて、LED導光対決を決行。一見、両者ともキレイに面発光しているようだが、よく見ると「確かに違う!」ポイントに気付くはず。実験結果の写真を見比べながら、解説していく。
「片面ブラスト」と「両面ブラスト」ではアクリルの光り方が違う
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いよいよ、片面ブラストVS両面ブラスト・アクリルLED導光対決…! 完全にアクリル・オタ向けの展開になってまいりました!
●レポーター:イルミちゃん
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……。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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さっそく対決です。片面だけブラスト加工したアクリル板と、両面ブラスト加工のアクリル板をセットしました。
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そしてLEDを点灯させてみると、どっちのアクリル板も面発光しますが……
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あれ?
一見すると、そんなに差がないように見えますね? -
今回実験に使ったアクリル板の長さは5センチ程度なので、差が少ないですが……それでもやはり、アクリル先端の明るさには差が出ています。
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ホントだ! アクリル先端からこぼれている光の量も、片面ブラストのほうが多い。
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このままアクリルを長くしていったら、どんどん差が大きくなりますよ。
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片面ブラストほうが、明るく面発光するんだ。
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正確に言うと「明るい」というよりも、「遠くまでLEDの光が飛ぶ」ってことなんですよ。
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む?
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逆に、光源に近い場所で比較すると、両面ブラストのほうが拡散性が高いぶんだけ、短距離で明るくなっています。
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では向きをひっくり返して、LED光源に近い場所だけで比較すると……
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確かに両面ブラストのほうが明るい。影の部分も薄くなっています。
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ただ、そのぶんだけ手前で光を喰ってしまうので、導光の飛距離が短くなって、全体でみるとムラっぽく見えてしまいます。
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なるほど……。
そういうことね。 -
球屋が「基本的にブラスト加工は片面のほうがいい」と言っているのは、光源が横入れで、なるべく遠くまで均一に面発光させたいからなんです。
両面ブラスト加工したアクリルを使う技もあるが、主流は片面ブラスト×光源横入れ
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結論は「アクリル板のブラスト加工は片面でよし」ということでよろしいでしょうか。
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ただ、例外もあります。
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というと?
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光源がアクリル板に対して横入れではなくて、背面から当てる場合には、両面ブラスト加工して拡散性を高めたほうが、LEDの粒々感をなくせるケースとかもありますし。
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なるほど、なるほど。
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球屋の作成でいうと、車内のカップホルダーイルミなどは、両面ブラスト加工したアクリル板を使っていますよ。
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この技は、アクリル板に対して光を横入れするスペースなんてありません。
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横は、ドリンクホルダーの壁ですので。
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だから、光源のLEDは真ん中なんです。その条件でフチ全体をモヤっと光らせるための、両面ブラスト加工ですね。
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至近距離での拡散性を重視ってことか。
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でも、そういう例外を除けば、最近は横から光源を入れるケースがほとんど。
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通常は、背面にLEDを入れるスペースなんてないから?
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それもありますが、両面ブラストで光らせるとベタっと重いというか……、LED光源が横入れで、少しクリア感を残しながら光らせている感じのほうが、今の純正っぽいんですよ。
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へー。
そんな見方もできるんだ。 -
まあ、好みの問題ですけど、けっきょく、純正の光らせ方に近づけたほうが違和感なく感じるので。
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アクリルLEDのテイストは、いろいろのようです。超絶マニアックだなー。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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