アクリル板のブラスト加工は、片面と両面ではどっちがいいのか?
- 1
- 2
アクリル板を面発光させるためのブラスト加工。そのブラスト加工は、アクリル板の片面だけでいいのか・両面ともやった方がいいのか。ここで実際に〈片面ブラストVS両面ブラスト/導光バトル〉の実験を開始する。
片面ブラスト加工でも、両面ブラスト加工でも、光るのは同じだが…
-
アクリルLED加工をやっている人から、ときどき聞かれるこの疑問点。
●レポーター:イルミちゃん
-
なんのこと? という人向きにおさらい。透明(クリア)のアクリル板を、LEDで面発光させる場合には、ブラスト加工(あるいは手磨き)でアクリル表面に傷を付けます。
-
このとき、アクリル板の両面にブラスト加工する(傷を付ける)のか、それとも片面だけでいいのか。そんな疑問が出てきます。
-
片面ブラストと両面ブラストでは、光り方に差が出ます。だから球屋でも、どのくらい拡散させたいかによって使い分けているんですが……
●アドバイザー:球屋 森田研究員
-
ホホウ。
そうだったのか! -
断面から横入れで光源(LED)を置くとすると、片面ブラスト(片面削り)のほうが遠くまで光が飛びます。
-
へー!
-
両面ブラスト(両面削り)は、それだけ光を喰ってしまうので飛距離は短くなる、ということですね。
-
なるほど。
実際に実験してみましょう。
✔ アクリルを面発光させるためのブラスト加工は、片面と両面のどっちがいいのか?
ブラスト加工機を持っていない一般人がDIYでやるなら、手磨きという方法がある。
片面ブラストってどうやるの? 「断面」はブラストかける? かけない?
-
用意するものは、透明(クリア)のアクリル板を2枚。
-
それぞれに、両面ブラストと片面ブラストをかけてみましょう。
-
ところで、サンドブラストってアクリルの片面にだけかけるときはどうすればいいの?
-
片面をマスキングテープで保護しておけば、もう片面だけ傷がついて、片面ブラストになります。
-
ああ、そういうことね。
-
なお、「アクリル板の断面」はどうするのか、という話ですが、基本的に断面にはブラスト加工はかけません。
-
フムフム。
-
断面を見せるような演出をするときは、断面にもブラスト加工するケースはありますけど、そうでない限りかけないほうがいいです。
-
それはなぜなんでしょう?
-
横から光源を入れて、面発光させようとしているのに、断面で光を喰ってしまう格好になりますよね。
-
あ、そっか。
-
できるだけ長い距離をキレイに面発光させる目的なら、断面はクリアのままにしておくのです。
-
だから、断面にもマスキングテープを貼って保護しているんですね。
-
そうです。そして両面ともにブラスト加工をかける場合は、「断面だけ」をマスキングテープで保護すればいいですね。
-
それでは、ブラスト加工をかけます。
-
ブラスト加工によって、透明アクリルの表面が曇りました(↓)
-
こうすると、透明のアクリル板がLEDの光を喰って、面発光するようになるんですね~。
-
次は光源となるLEDを、断面にセットします。
片面にだけマスキングテープを貼る
断面だけマスキングテープを貼る(両面ブラスト用)
エアーの力で細かい砂を吹き付けて、表面に細かい傷を付ける、サンドブラスト加工機。
片面ブラスト加工の場合は、ブラスト面を上にするの? 下にするの?
-
なお、ブラスト加工したアクリル板を光らせるときの光源配置は、横入れが球屋の基本スタイルです。
-
「横入れ」とはつまり、断面にLEDを当てるってことですね。
-
そして、もうひとつポイント。片面ブラストのアクリル板は、ブラスト面を上にする(見せる)のか、下にする(背面にする)のか。
-
え? ブラストした面しか光らないんだから、当然上にするべきでは?
-
いや、これも別にどっちでも光ります。ただ違いとして、ブラストしていない透明側を上(オモテ)にすると、断面なども見えて奥行き感が出ます。
-
イメージ的には、発光面の上にクリア層がのっかっているような感じに見えるので、発光させたときもキレイですよ。
-
なるほど。
相変わらずヘンタ……いや、コダワリがすごい。 -
まあ、でもどっちでないとダメってことではなくて、好みとか演出によって変わるとは思います。
-
それでは本題に戻りまして! 片面ブラストVS両面ブラストの導光バトルです。
アクリル板に対するLEDの配置
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。