ステップランプの取り付けは実用的な技(ランドクルーザープラド編)
四駆の場合、ウェルカムランプ的なステップランプは付いていると便利だが、純正では付いていない車も多い。そこで、サイドのステップランプ取り付け実例を紹介。モデル車はランドクルーザープラドだが、他の車種のLEDカスタムのヒントにもなりそう。
純正ステップランプが付いていなくても、ステップにスリットは開いている!?
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現在、球屋ではランドクルーザープラドのLEDカスタムを研究中。
※「ランドクルーザープラド(150後期)ヘッドライトカスタム」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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今日のテーマは、ステップランプです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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ステップランプってなに?
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四駆の場合は車高が高いから、サイドにステップが付いていますよね。
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ランドクルーザープラド(150後期)を例にすると、上位グレードの場合はこのステップが光るんですよ。
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上位グレードだけ?
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そうなんです。便利な機能なのに、ディーゼルの一番上のグレードだけなんです。
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そんなところでも、差別化してあるのか。
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でも他グレードも、ステップ自体には、もともとスリット(穴)が開いています。
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まさに、後付けカスタムのネタポイントだ。
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で、純正のステップランプの部品一式(ハーネスなども含めて)購入して移植するっていう方法もよく行われているようなんですが……
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ほほう、なるほど!
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でも、その純正のステップランプはT10タイプの電球なんです。
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LEDじゃないんだ。
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そうなんです。それを社外LEDバルブに交換するとしても、どうしてもLEDの指向性の問題がある程度出てしまいます。
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でもステップランプの用途としては、広範囲に光が広がってほしい。
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なるほど。
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純正のステップランプ(電球)も、車体の外方向(ステップ方向)と、腹下の両方を照らしています。
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てことは、直線的な光を飛ばす普通のLEDポジションバルブなどを流用してもキレイに光らなそう。
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そうなんですよね。それなら、わざわざ純正パーツを移植してからLED化するより、ゼロから作ってしまおう、と考えました。
光らないグレードのステップにも……
窓(スリット)は開いていた
✔ LEDの光は、電球のように360度に照射されるわけではない。
アクリル板を使って防水&拡散ボックスを作る
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ここで、球屋が製作したステップランプを見てみます。
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電球じゃなくてLEDだから、白くて明るい!
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でももともと入っている純正スリットを使っているから、純正っぽいでしょう。
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そのスリットからこぼれた光が、ステップを照らす。
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ステップと地面の両方を照らすのは、純正ステップランプと同じですね。
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LEDなのに、横にも下にも光が飛んでいるのは不思議な気もしますが?
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アクリルを使った拡散効果です。
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そうか。ここでお家芸のアクリルメイクが登場する。
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純正だとドーム型の防水カバーのようなものが付いていますが、球屋ではアクリル板を箱型に組んで、防水ボックスを製作したような感じですね。
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それで面発光しているのか~。
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発光させたいのは、ステップのスリット側と地面側。なので、その2面は透明アクリルをブラスト加工したものを使って……
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それ以外の面については、黒いアクリルを使って、ボックス状に合体させています。
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2面だけ光るアクリルボックス♪ なるほど。
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黒アクリル面にLEDを付けているので、仮に覗き込んでも、光の粒々感は出ません。
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ステップランプが覗き込んで見られることなんて、ほぼないでしょうけど……そこもコダワリですね。
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イメージはランタンみたいな感じですね。
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でも、純正は防水カバーのようですが、アクリルボックスで防水性に問題は出ないのかな?
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そこはもちろんテストしています。ヘッドライトの殻閉じと同じように、水桶に沈めてチェックしました。
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ボチャンと入れて放置してみても、問題ありませんでした。
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アクリル板を接着したボックスで、そこまで防水できるもの?
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アクリル板そのものを溶かす溶剤を使っているんですよ。ジクロロメタンっていうんですが。
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……なんか、聞いたことある薬品名だぞ?
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超音波カッターで切って殻割りするヘッドライトやテールランプを、溶着するときに使う薬品です。
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ジクロロメタンで溶かして溶着させているので、しっかりやれば水は入らないのです。
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その防水性の高さは、ヘッドライト加工やテール加工で証明済みだもんなー。
球屋の工場内の床がツルツルなので2つの光源が地面に反射しているが、普通のアスファルトの路面ならボワーンと光る。
✔ 球屋ではレーザー加工機を用いるが、「アクリル板をDIYでブラスト加工風に処理して光らせる方法」もある。
✔ この方法は、「ヘッドライトやテール加工後に、必ずやるべき防水チェック」参照。
乗り降り両方のタイミングで光らせるなら、ルームランプ連動
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ステップランプは、実用性のあるLEDカスタムと言えそうですね~。
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その実用性をもっと高める意味で、光るタイミングも純正とは変えています。
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と言いますと?
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球屋では、ルームランプと同じタイミングで光らせます。
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ふむふむ。
ルームランプ連動ですね。 -
アンロックでルームランプが点灯するので、乗り込むときはウェルカムランプとして使えるのです。
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ウェルカムステップランプ(仮称)♪
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降りるときにもドアを開けるとルームランプが点灯するので、乗り降りを両方ともサポートできます。
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なるほどね。
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純正のステップランプは、ルームランプと連動しているわけではなく、降りるときは点灯しないんですよ。
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それも、もったいない気がしますね。
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せっかくなら、乗り降りの両方のタイミングで光ったほうがいいよねってことで、ルームランプ連動推奨ですね。
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なお、後付けLEDをルームランプ連動にする方法については、他記事で解説していますよ。
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今回紹介した球屋のウェルカムステップランプは、まだ出来たてホヤホヤの試作品。近いうちに球屋の公式サイトで、完成版が公開される予定です。
アンロックで点灯開始
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。