215/35R19が必要とされる低車高の世界

19インチで最も細いタイヤが215/35R19。それはそのまま、「最も車高が落としやすいタイヤ」とも言い換えられるが、引っ張り度合いが増せばリスクも増える。引っ張りタイヤのマッチングを考える時に、215/35R19か225/35R19かで迷ったら、J-LINEの話はかなり参考になる。

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  今日は車高が低くても当たらないJ-LINEの秘密について、タイヤサイズの側面から暴きます。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  タイヤね〜。実際のところ、低車高にとって一番重要なのはタイヤかも知れません。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  私、J-LINEのタイヤサイズのマッチングについて、気づいたことがあるんですよ。

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  お！ なんでしょう？

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  J-LINEって、使うタイヤのサイズがいつも同じような……
  意外とワンパターンっていうか

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  そうですね。19インチの場合、215/35R19を使うことが多いですね。
  ワンパターンとかいう問題じゃないけど

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  やっぱりね！ でもそれって妙な話ですよねぇ。ホイールの太さ（J数）に合わせてタイヤサイズを決めるのだから、いろいろなサイズを使い分けるものでは？

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  もちろん、225/35R19を使うこともあります。ただ、215/35R19を使うことが圧倒的に多いというだけで……、

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  それはナゼですかっ？

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  19インチで一番細いタイヤが215/35R19だからですよ。

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  ムムム……205/35R19は、ないのか。

✔ 19インチタイヤの最新情報は、記事執筆時より変動あり。「19インチでは最細・最小外径のタイヤサイズ〈205/35R19〉が登場」を要チェック。

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  ちなみに20インチでもタイヤ事情は似ていて、215/35R20はよく使います。

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  ようするに19〜20インチでは、215を使っていくのがJ-LINEの定番なわけですね。

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  車高を低くする車の場合はそうですね。

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  一般的にはホイールサイズが8.5Jとか9Jなら、225/35R19を履かせる、みたいな風潮があると思います。

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  フムフム。

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  しかし、引っ張りタイヤと言うには物足りないレベルですね。

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  J-LINE的には225/35はタイヤが太すぎる……と？

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  そこは車高の問題なんです。車高の低さを求める人は、225/35R19でタイヤが当たってしまい、「やっぱりもうワンサイズ細くすればよかった（泣）」というケースが多いからなんです。

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  では実際に低車高向けの引っ張りタイヤマッチングを見てみましょう。使っているのはルッチーニ。最近のJ-LINEのご指名タイヤですね。

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  どのタイヤで引っ張るかも、重要ですので。

8.5Jに215/35R19



9Jでも215/35R19


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  どちらも215/35R19を使っているわけですが……、

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  ホイールが太くなったぶん、9Jは明らかに引っ張り感が増していますよね。

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  9Jでも、いつも215/35R19なんですか？

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  そんなことはないですよ。9Jになるとオーナーの考え方、乗り方によっても変わってくるところですね。

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  225/35R19にしておく場合もあるわけだ。

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  ですね。必要もないのにリスクを背負ってまで、引っ張りタイヤにすることはないですから。

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  では、9.5Jだったら？

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  9.5Jに215/35R19となると、さすがに無謀なサイズだと思います。組めなくはないけど、リムに届いてないよ、みたいな状況になってくるので。

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  なるほど、なるほど。9Jが一定の限界と見ているわけですね。

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  逆に今回の例より細い8Jの場合。225/35R19だと引っ張り感もあまり出ないので、215/35R19でいいんじゃない？ となるケースが多いですね。

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  8Jで、それほど車高を下げないとしたら？

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  それなら225/35R19にしたら？ と言いますね。つまり、ごく普通のマッチングでいいと思います。

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  普通のお店が225/35R19以上を薦めるのは、215/35R19だとリスクがあるからでしょう？

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  もちろん比較すればリスクは増えますよね。だから一般的には、お店は太いほうを薦めてくる。

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  215/35R19は、定番とは言えませんよね。

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  ただ、車高の低さを求める人になると、225/35R19であとから後悔する人が多いのも事実です。

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  あの〜、215/35R19と225/35R19って、そんなに違うもんですかね？

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  違いますよ。ぜんぜん違う。

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  タイヤの幅が10ミリ細くなるだけ、でしょ？

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  というか、片側分でいったら5ミリ細くなるだけの違いですけどね。

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  そっか、実質は5ミリの差か！……さすがに意味がないような。

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  一般的な見方だと、「そんなに変わらないよ？」（だから225/35にしておきなよ）……という程度の差かもしれない。

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  ですよねぇ。

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  でも車高を下げる人達にとってみれば、まったく違うものなんですよ、その5ミリの差が！

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  ハイ、ここからが氏家研究員のホンネです。

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  低車高にとって、片側5ミリのマージンがどれだけ重要か！ っていう、そこの価値観の問題なんですよ。分かりますか？

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  正直その5ミリでなにが変わるのか、具体的には分からないなぁ。

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  たとえば知りたいのは、それで車高があと何センチ下げられるの？ という話でしょ。

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  そうですね。限界車高がどの程度変わってくるのか。

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  それを言うなら、何センチも変わらないかもしれませんね。

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  あれ？

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  しかし低車高を求める人のレベルっていうのは「あと1センチ下げたい！」と、そういう世界なんですよ。あと1センチ下げれば、タイヤとフェンダーの隙間が埋まるのに！ とかね。

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  そういう世界ですよね。

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  タイヤにちょっとカブるぐらいの車高なら、1センチの差なんてそれほど大きくはないと思います。

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  氏家研究員が今言っているのは、もっと低い車の話なんだ。

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  そうです。低さにこだわる人だと、1センチどころか「あと5ミリ落としたいんです」と相談してくる人もいる。

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  5ミリって。

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  でも「ハンドル切ると当たるから、あと5ミリが落とせないんだよな〜」という人なら、215と225の違いの重みが分かる。

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  横に5ミリ、フェンダーから逃げてくれれば……5ミリ10ミリの車高は稼げそうですね〜。

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  タイヤが当たる話の、“当たる位置”というのはタイヤのカドの部分なんですよね。溝が終わるカドの部分。その位置が5ミリ入るか出るかは大きい。

5ミリの差が出る世界


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  今まで215を履いていて、タイヤの干渉がなかった人が、「ちょっと引っ張り過ぎだから225にしようかな〜」って225にしたら当たるようになった、とかドレスアップの世界ではよくある話です。

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  そういう人は、確実に215/35R19を買い直すでしょうね。

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  だから低車高には、最初から215/35R19を薦めることが多いわけです。走っていてザッザッってタイヤが当たる音は、みんなもの凄く気にするので。

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  心臓に悪そうな音だな。

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  だから「215/35R19も225/35R19もそんなに変わらない」って言われると、我々からすれば、それは違うぞって言いたい。

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  215/35R19の重みが、ジワジワ分かってきました。

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  215/35R19のような細いタイヤが出てきたことで、今の時代の低車高が成り立っているんです。

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  そこまで言うほどなんだ。

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  足まわりを語るとき、車高調のよしあしとかアクスルとかいろいろありますけど、“車高を下げる”ことをやりやすくした最大の要因は、タイヤですよ。

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  アクスルのJ-LINEが、「アクスルよりタイヤ」と言う。説得力ありますね〜。

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  薄くて細いタイヤがあるから、今のシャコタン文化があるんじゃないかな〜と、僕は本気で思っています。