ドレスアップの気になる話題
ラッピングの剥がし方。キレイに剥がすコツ。
車のラッピングの剥がし方は「温めながらゆっくり剥がす」が基本だが、温めすぎると粘着剤がボディに残ってベタベタになったりするので注意が必要。ここでは10ヶ月前に貼ったラッピングを実際に剥がしながら、キレイに剥がすコツを探る。
ラッピングは温めながらゆっくり剥がす、が基本だが…
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今日はスパイス流のラッピング剥がしの取材です。
●レポーター:イルミちゃん
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本当は夏にやるほうがいいですね。ボディが温まっている状態のほうが、キレイに剥がしやすい。(※取材時は11月)
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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モンク言わない。
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……いや、今のは一般的なアドバイスでしょ?
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そんなことを言われても、冬に剥がすこともあります。
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まあね。冬場は、ドライヤーなどで適度に温めながらやるしかない。基本は「温めながら、ゆっくり剥がす」です。
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どの位温めるんでしょうか?
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手で触って、温かいな〜ぐらいのレベルです。
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フムフム。
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ただし、現実は温めればいいというものでもなかったりします。
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む?
どっちなんですか、いったい!? -
温めすぎると、ベタベタに柔らかくなったノリが、ボディ側に残ったりする。
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あらら。
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温めたら面白いように剥がれるんですが、実はノリが全部ボディ側に残っている、なんていうケースもあるので注意です。
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それ、初心者がキマジメにやったときに、かえって起こりそうな大惨事ですね。
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そのあたりは気温とか、使っているラッピングフィルムの質とか、貼っていた期間にもよると思うので……
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臨機応変に対応しないといけない。
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そうです。実際にラッピングを剥がす作業を始めてから、「初期段階で、ノリが残らない剥がし方を見定める」ことが重要です。
キレイに剥がれているようで、気のせい
ノリが全面的にボディ側に残っている!
ノリ(粘着剤)が残らない剥がし方を探す
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今回のモデル車のS660ですが、ラッピングを貼ってから、まだ10ヶ月程度しか経っていません。
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フムフム。
比較的短い期間なんですね。 -
そのため、とりあえず手で引っ張って剥がし始めると、(温めなくても)わりとスムーズに剥がれていきます。
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それならそれで、ヘタに温めない方がいいわけですね。
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そういう場合もあります。それと重要なのは、単に剥がせればいいのではなくて、できるだけボディ側にノリが残らないように剥がすことです。
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なにかコツがあるのでしょうか?
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今回のケースでも、ゆっくりジワ〜っと剥がしていくと、ノリが残らずにキレイに剥がれていきます。
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しかし、ちょっと急ぐと……
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こんなふうに、ノリが残ってしまったりする(↓)
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ノリが残ると、それを落とすのに手間がかかるので、なんにもなりません。
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急いで剥がした結果、かえって時間がかかる……。
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「善は急ぐな」ですね♪
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……。(それを言うなら「急がば回れ」な気がするけれど、突っ込むのはやめておこう)
ベタ〜
ラッピングを剥がした後、ノリ(粘着剤)が残ったらどうするの?
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今回はラッピングフィルムを貼っていた期間が短めなせいか、意外と順調に剥がれていきますね〜。これならラクにいけそう♪
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ちょっとちょっと、佐藤研究員。
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なんですか?
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スピードアップで♪
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だから、一気に剥がすとノリが残ると言っているのに。
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読者が見たいのは、このノリ(粘着剤)をどうするのか、だと思うんですよ。
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……ヒドイ。
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でも、どっちにしてもノリが残ることはあるんでしょう?
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まあ、そうですけど。
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ボディに残ったノリは、どうやって落とすの?
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溶剤をなにも使わないで取ろうとすると、大変です。ぜんぜん取れない。ゴシゴシやるとボディを痛めるし。
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ふむ。
強引なのは禁物ですね。 -
一般的には、ステッカー剥がしがありますね。しかし車のボディ全体に貼ったラッピングを剥がすのに使うと、いったい何本使うんだろ的なコストの問題があります。
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……なるほど。
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だからといって、例えば手近なところにあるパーツクリーナーなどでは、なかなかキレイに落とせません。
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これはナゼかというと、パーツクリーナーが揮発性だからですね。あっという間に蒸発してしまいます。
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揮発性(キハツセイ)ね……フムフム。
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一瞬ノリを溶かすことはできている。けれどもすぐに蒸発するので、けっきょくキレイに拭き取れない。
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なるほど、なるほど。
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取れないことはないんです。でもかえってノリが伸びて汚くなったりと、けっこう苦戦します。
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ノリを溶かしつつ、すぐには蒸発しない不揮発性の成分が必要なんですね。
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ちなみに、シンナーを使うのは絶対NGです。これは塗装を痛めてしまう。シンナーはプラスチックも溶かすので、バンパーなども溶けますよ。
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うかつにヘンなものは使えませんね。で、スパイス流は?
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スパイスでは、灯油を使うことが多いです。
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スパイスは寒いからなァ。スパイスがある千葉県は温暖なイメージですが、ココ成田市はけっこう寒冷です。
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……そおなんですよ。
皆さん、冬は暖かい格好で来てね♪ -
それにしても。
意外なモノが出てきましたね。 -
似たような成分として、潤滑剤を使う人もいますけどね。
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灯油や潤滑剤なら、すぐには蒸発しないんだ。
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灯油をタオルに付けて、それでノリを拭く。少し間をおいてから、何も付いてないタオルで拭き取るとキレイに落ちますよ。コスト的にも安い。
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ただし、当然ながら火気厳禁です。それと剥がし作業後は洗車して、カーシャンプーでボディに付着した油分をしっかり落とすのも大前提。
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塗装の状態もいろいろです。どの溶剤にしても、塗装面に影響がないことを確認してから使うようにしましょう。
急ぐとこうなる
ベタ〜
パーツクリーナーで
ノリを拭いても…
伸びるだけで残る
※スパイスは寒いので灯油は常備しています。
タオルに取って拭いて…
キレイなタオルで拭き取る
取れたノリ(粘着剤)
キレイに剥がれた〜!
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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