エマージェンシー・シリーズ
パープルセーバープロは従来版とどう違う? 買い替える必要はあるか?
パープルセーバープロとパープルセーバーの違いは何か? どちらも紫の光の緊急停止灯なのは共通だが、乗っている車によって使い勝手が変わってくるので、ここでわかりやすく解説。
大ヒットアイテム「パープルセーバー」のおさらい
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パープルセーバー? どこかで聞いたことあるけれど……なんだっけ?
●DIYラボ別館:ユキマちゃん
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先日のユキマちゃんのように、路上で緊急停車するような事態になったら普通は三角表示板を立てますが……
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いや~、あんときは焦ったなァ。
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私が電話に出なければどうなっていたことやら。
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でも、アンタの指示が悪いせいで、何本も50メートル走をやらされるハメになったとも言えるんだが。
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そういえばまず発炎筒を50メートル後方に置きに行ってから、また車に戻って、三角表示板を50メートル後方に置きにいってたもんね。
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後続車はびゅんびゅん来るし、クマは出そうだし、メッチャ恐かったんだから。
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しかしパープルセーバーがあれば、そもそも三角表示板を立てる必要はなくなるという…。
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む? そういえば三角表示板の代わりになるアイテムが存在するというウワサを聞いたことがあるぞ。
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ウワサではなく過去記事で勉強済みなのですが、すっかり忘れているユキマちゃんのためにおさらいしておくと、これはエーモンの開発した停止表示灯ね。
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カンタンに言えば、三角表示板の代わりになるのが、停止表示灯です。
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つまりコレがあれば三角を立てに行かなくてよいと…?
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法規上でいうと、三角表示板も停止表示灯も「停止表示器材」なので、どちらかがあればよいことになります。もちろん併用策もありだけどね。
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三角マークを組み立てるよりラクなのは確かね。
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いや、そんなレベルの違いではないよ。圧倒的なアドバンテージとしては、クルマの屋根の上に設置するだけで作業完了な点。
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50メートル後方に設置する必要のある三角表示板とは、大きな違いです。
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あの悪夢の50メートル走をやらなくていいのかッ!! それは非常に助かる。
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設置するときの危険性などまで考慮すると、停止表示灯のほうが有利ね。
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なるほど、なるほど。
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もちろん、停止表示灯はなんでもよいわけではありません。法規上の条件があります。
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なるほど。紫色っていう条件があるからパープルセーバーなのか。
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そうそう。これが数年前から大ヒットしているわけだが……
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知らなかった。この間の一件もあるし、Amazonでポチっておくか……
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ちょっと待てやぁ!
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な、なによ?
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ここまでは、なにを今さら的な話を、わざわざユキマちゃん用に解説したまでよ。本題はここからでしょうがッ!!
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あ……そうなの。
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実は最近、パープルセーバープロっていうのが追加されたんだよね。
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なにぃ…!
プロ用が出たのか! -
うーん、プロ用なのかはよく分からないんだけど…
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トラブるプロってことかな???
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どんなプロよソレ。
ユキマちゃんじゃあるまいし。 -
ふふ……それでは私がご説明いたしましょう。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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……あれ?
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どこかで見たことあるような……ないような……
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いや、あるだろ。
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エーモンの中塚研究員じゃないのッ! 辞めたって聞いてたけど……
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辞めていません。異動で他の部署に行っていたのです。しかしこの秋からまた戻ってまいりました。
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それは朗報です。
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それでパープルセーバープロを持ってきてくれたの?
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あ、いや、結論から言うと、お二人はパープルセーバーの従来品で十分ですよ。
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ん…?
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あん?
なんか引っかかる言い方ね。 -
ふむ。
確かに。 -
あ……いや……べつに深い意味ではなく……
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私達みたいなトーシロに「プロ」は必要ないってことかーッ!?
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「私達」っていっしょにしないでくれる? 意識高い系と意識低い系は、ぜんぜん違うんだからね!
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えーっとつまり、交通安全について意識高い系の人が「プロ」で、意識低い系の人が「従来品」ってこと?
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おそらくね。
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いや、ぜんぜん違いますね。へんな話を吹聴しないでください。
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じゃあ、どう違うの?
緊急用アイテムとして大ヒットしたパープルセーバー。その新モデルについて検証します
DIYラボ 本館:イルミちゃん
高速道路上で故障などによって停車したときは、停止表示器材を設置する義務がある。
※ただし、高速道路上でそのまま車内にとどまるのは危険なので、設置後にガードレールの外などに退避するのは、三角表示板のときと同じ。
| 停止表示灯の基準 | |
|---|---|
| 路上設置時のサイズ | 高さ150mm×幅170mm×長さ170mm 以下になるもの |
| 点灯方法 | 点滅式であること |
| 視認距離 | 200mの距離から容易に確認できるもの |
| 灯光色 | 紫色 |
Amazonでは限定品モデル(4873)が販売されているエーモン パープルセーバープロ
パープルセーバープロと従来版の違い
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まずパープルセーバープロは、COB LEDと特殊広角レンズを採用しておりまして、明るさと照射角が従来品より大幅にアップしております。
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順当にプロのほうが明るいと。
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日中の視認距離は従来品が400mだったのに対して500mになっています。ただ夜間の視認距離でいうとどちらも1000mです。
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つまり夜間の視認距離でいうと差はないんだ。
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両者の決定的な違いは設置方法です。パープルセーバープロは背面にマグネットが付いているので、このように車体に固定できるのです。
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屋根ではなくリアハッチに付けるんですね。
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この背面マグネット方式になったことでトラックにも取り付けできるようなったり……
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あるいはワンボックス車などで、車体後部に取り付けできるようになりました。
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あ、そうか! 仕事でクルマに乗っている人達にも使いやすくなったから「プロ」なのか。
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もちろんプロユースに限らず、例えば乗っているのがミニバンだとしたら、パープルセーバープロならリアハッチに取り付けできます。
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軽自動車のハイトワゴンにも向いていますよ。
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車体後部の面積が広い車には、プロが付けやすいってことね。
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いっぽうで背面部が少ない普通乗用車の場合は、底面にマグネットがある従来タイプをオススメします。
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屋根に付けやすい車種であれば、従来品のほうが車内からルーフにカンタンに設置できますので。
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ようするにどっちがいいかは、乗っているクルマの種類によるっていう話なんだ。
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そういうことです。
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それなら現状で普通のパープルセーバーを使っている人は、買い替える必要はないのかな?
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はい。車両が代わらなければ、買い替える必要はないですね。
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これから買う人で、どちらでも付けられるタイプのクルマだとしたら迷うところだけど。
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他に細かな違いとしては、パープルセーバープロはニッケル水素充電池にも対応しています。
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では普段からエネループとか使っている人だったら、プロのほうがいいかも?
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従来モデルは単四電池×4本だったのに対して、プロは単三電池×4本という違いもあります。
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どちらでも付けられる車種の場合は、電池の違いなども含めて、トータルで使い勝手が良さそうなほうを選ぶとよいかもしれません。






DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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