パドルシフトスイッチ移植加工方法③(スイッチ側の加工)
パドルシフトスイッチ移植方法を〈球屋〉で見学する連載。移植する「パドルシフトスイッチ側」の加工のやり方と、スイッチを埋め込むために「カバー側」に開けた穴の最終微調整を行う。
パドルシフトの移植には、スイッチ側の加工も必要
-
「パドルシフトスイッチ移植加工方法②(埋め込み穴の開け方)」の続き。
●DIYラボ:イルミちゃん
-
前回までに解説した切り方で穴を広げていくと、あるところでスポっとパドルシフトスイッチが入りますが……
●アドバイザー:球屋 森田研究員
-
おお。
入った……! -
でもこれではまだダメなんです。スイッチが後方に突出しているので、ステアリングのコラムカバーに干渉します。
-
むぅ。
-
このライン(↓)くらいまでに収めないといけません。
-
あれ、こんなに出っ張るんだ???
-
そうなんですよ。
-
しかし、ネジ位置を合わせるように加工してきてこの結果なんだから、下にズラすわけにもいかないでしょ?
-
つまり、このままでは物理的に入らないので、パドルシフトスイッチ側も加工する必要がある、ということです。
-
そういうことか…。
-
ちなみに80ハリアーのデモカーで検証を行ったときは、パドルシフトスイッチ側はなにも加工せずに進めた結果、失敗した経験もあります。
-
そこから学んだのが今のやり方なんだ。
-
はい。パドルシフトスイッチ側も加工しながら進めるのがポイントです。
-
では、スイッチ側も短く切るってことですね。
-
パドルシフトスイッチ自体のカットも少しずつ。埋め込んだときの突出具合や、ネジ穴との位置関係を見ながら進めることになります。
-
マスキングテープを貼ったのが、カットラインの目安ね。
-
球屋の場合は、これまでのパドルシフト移植の経験上、位置関係を見れば、どの程度切ればよいかがおおむね分かります。
-
ふむ。
-
しかし正確なところは、埋め込んでみないと、どの程度加工が必要かは分かりません。
-
スイッチ側も加工したら、再びステアリング背面カバーに埋め込みながら、穴を微調整していきます。
-
おお~!
キレイに入りました! -
片側だけ、若干、段差があるのが分かりますか? 1.5ミリ程度の僅かな違いですが…。
-
言われてみれば、片側だけ段差がある。ナゼ?
-
パドルシフトスイッチ側のネジと、ステアリング骨組み側のネジ穴はバチっと一致していますから、スイッチの付き方としてはこれで正しい状態なんです。
-
ではこの段差の原因は……
-
ようするにステアリング背面カバー自体に傾斜が付いているので、どうしても段差が生じてしまいます。
-
そもそもベースが、パドルスイッチ無し車の背面カバーだからねぇ。
-
それだけにこの段差を埋めるってことはできません。
-
そりゃそうだ。
-
5ミリとか後ろに突出してくると干渉の心配もありますが、この位は許容範囲です。
-
ではこれで完成ですか…?
-
同じ作業を反対側でも行えば、完成ですね。
-
ようやくパドルシフトスイッチが埋め込めました!
-
ステアリング内ハーネスは、純正品が流用できます。
-
パドルシフトスイッチ用の信号はどこから取っているのか、という点については、80ハリアーのときに解説しているのでそちらを参考に。
短く加工したパドルシフトスイッチ。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
関連記事