ハイラックスのヘッドライト内にある車名ロゴを光らせるLEDカスタム(後編)
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ハイラックスのヘッドライトのインナーに入っている〈HILUX〉の車名ロゴを光らせる技の後編。アクリルLED加工というと派手めなイメージもあるが、これは実に抑えの効いた純正っぽい光らせ方のヘッドライトカスタムだ。
ヘッドライトのサイドにLEDを仕込むカスタムの注意点
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「ハイラックスのヘッドライト内にある車名ロゴを光らせるLEDカスタム」の続き。
●DIYラボ:イルミちゃん
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アクリルLED加工の手法としては、前回説明したような感じで、ほのかに光らせています。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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「ほのかに…」というところがポイントですね。
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ロゴを光らせるLED加工は、昼間見せたい意図ではないし、あくまでも夜間に軽く光っているくらいの感じが一番いいんじゃないかなと。
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人によっては物足りなさを感じるかも知れないけれど…
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でも、ヘッドライトのサイド面は、横に付いた車からするとけっこう目に入りやすい位置です。
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そういえば、そうですね。
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しかもハイラックスの車高だと、ちょうど乗用車の目線の高さにも近い。その高さで強発光するモノを後付けしたら、眩しくてうっとおしいと思われる可能性が大です。
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あ~、そういうところまで考えてのことなのか。
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そうなんです。ほのかに光らせることで純正っぽさも増して見えて「ハイラックスのオプションで、こんなのあるんだ?」ぐらいの感じがいいかなぁと。
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なるほど、なるほど。
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サイドマーカーのLED加工などをするときも、同じようなことが言えますね。
アクリルを使って純正っぽく見せるヘッドライトカスタム
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「純正っぽく見せる」意味では、非点灯時の見え方も重要になってくるところ。
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まさに、そうですね。ガチャガチャした印象になってしまうと今の車には合わないと思うので、できるだけ純正っぽさは残したい。
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光っていない状態(↓)で見ても、後付け感を感じさせません。
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土台の黒アクリルも、もともとのインナー形状の面(プレスの形状)に合わせて作っています。
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ロゴの周囲まで含めて実は後付けのアクリル……というふうには見えませんね。
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一体感を出すうえでは「曲げ」も重要です。ヘッドライトのインナーは微妙に湾曲していますから、それに合わせてアクリルも曲げないと、周りに隙間ができてしまいます。
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黒アクリルが純正インナーのように見えるフィット感は、インナー形状に合わせて曲げてあるからなんだ。
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インナーの湾曲とピッタリ合っていないと、隙間から光が漏れたりしますしね。
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……そういうところも後付け感につながってしまう。
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そうですね。アクリル板の曲げ方は、以前に解説したことがありますが……
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ヒートガンであぶるやつ。
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今回のようなケースでは、対象物のインナーに当てて曲げないと、同じアールでキレイに曲げることはできません。
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熱を加えた状態のアクリルを、インナーに押し当てて曲げているんですね。
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ということは、この作業はインナーをカットする前にやっておかないといけません。
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なんのこと?
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ロゴの周囲はインナーを切っていますが、切ってしまった後から、後付けする黒アクリルを感覚的に純正っぽく曲げる、っていうのは絶対ムリです。
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あ、そうか。先に切ってしまったら元のインナー形状が作れない…。
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そういうことですね。黒アクリルのベースを完成させてから、インナーを切るんです。
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純正っぽく作るコツはいろいろあるんだなァ。
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ちなみに黒アクリル側は、ロゴのカタチに沿って切り文字になっていますが、UとXの隙間ってすごく細いですよね。
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ふむ。
確かに。 -
そのためアクリル曲げのときに熱をかけ過ぎると、これが変形してしまい、表から入れる文字アクリルがはまらなくなったり……という問題があるんで、熱のかけすぎは絶対にダメ。
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む、難しそう……。
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しかもアクリルは、熱をかけたらどんどん縮んでいくんですよ。だから黒アクリルの切り文字が縮むと、やっぱり文字アクリルが入らなくなったりします。
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……といっても熱をかけないと曲がらないのだが。
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だから、そこも考えて、あとからはめる文字アクリルを、最初からちょっとだけ小さめに作ったりする。0.05ミリ位の話ですけど。
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な、なるほど。
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ベースのアクリル板を曲げて、なおかつそこにロゴを入れて光らせるならば、けっこうそのあたりが重要になってきますよ。
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湾曲した面でロゴを光らせるのは、想像以上に高度なテクニックのようです。
非点灯時
✔「アクリル板のきれいな曲げ方」参照。
これ(↑)は別の技の例だが、インナーに埋め込むアクリルを仕込み中。熱したアクリルを、インナーに当てて曲げている。
詳細は球屋公式サイトの「ハイラックス ヘッドライト加工」参照。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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