通好みの電装カスタム
純正ワンタッチウインカーの回数を、5回→3回に変更する電装カスタム(後編)
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ワンタッチウインカーの回数を変更する「スリーウインカーキット」取り付け方法。初心者でもできるのだが、注意点あり。それは現行世代のトヨタ車のライトスイッチ・カプラーを抜くところ。知識なしで作業すると、思わぬトラブルに遭遇する。
現行世代のトヨタ車の、ライトスイッチのカプラーを抜く前の注意点
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「純正ワンタッチウインカーの回数を、5回→3回に変更する電装カスタム」の続きです。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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デンクルのスリーウインカーキットを取り付けしている最中ですが、ここで、最新型のトヨタ車に乗っている人向けの注意点があるもよう。
●レポーター:イルミちゃん
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ヤリスにはステアリングコンピューターが付いています。
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なにそれ?
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ようするにステアリング周りの制御用に、専用のコンピューターが入っているんですよ。
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こんなところにまでコンピューターが出てくるのか!
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ちなみにこれはヤリスが最初というわけではなく、同形状のコネクターに変更された70カムリ・カローラスポーツ・レクサスES╱UX╱LS・220系クラウン・RAV4なども同じ作りです。
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あー。新型トヨタ車の流れ、みたいなものなんですね。
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そうなんです。
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で、問題点というのは?
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今回、スリーウインカーキットを割り込ませるのは、奥にある大きな信号線のカプラーです。
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しかし、このステアリングコンピューターにつながっているコネクターはひとつだけではありません。
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手前に小さいコネクターもありますね。
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そうです。この小さいほうの10ピンコネクターは電源系統なんですよ。
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大きい信号線のコネクターを抜く前に、この電源を先に抜く必要があります。
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ほほう。
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コンピューターの電源を落としてから信号線のコネクターを抜かないと、ちょっとしたトラブルが起こります。
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先に信号線のコネクターを抜くとどうなるの?
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やってみましょう。
先に奥のコネクターを抜くと…… -
ヘッドライトが点灯しっぱなしの状態になります。
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なにぃ。
そんなことになるとは。 -
この大きいほうのコネクターには、ライトスイッチやウインカーレバーやワイパーなどの信号線が通っていますので。
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それらがコンピューターにつながっているんですね。
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その中には「ライトスイッチがオフの位置にあるよ~」とか「オートの位置にあるよ~」といった情報を伝えている信号線もあります。
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今はライトスイッチはオフ状態になってます。
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しかしその「オフ信号」が来なくなって、ヘッドライトがオンになってしまっているんですね。
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なにも信号が来ないと、逆にヘッドライトは点灯してしまう構造なんだ。
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壊れてしまうわけではありません。しかし、作業している間、ヘッドライトが点灯しっぱなしになります。
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気づかなかったらバッテリーが上がってしまいますね。
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ですから、まず電源コネクターを抜くのが正しい順番。
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その上で、奥の信号線のコネクターを抜く。
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この順番なら何も起こりません。
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分かっていればなんてことない話ですが、知らないと……
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ライトスイッチはオフにしているのにヘッドライトが点灯して、どうしていいか分からなくなります。
ドアを開けて作業していれば、ライトが点きっぱなしの警告音も鳴り出す。
スリーウインカーキットの取り付け
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スリーウインカーキットの配線は、カプラーオンで割り込ませるだけですね。
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ハイ。大きい信号線のコネクターを抜いたところに、スリーウインカーキットのコネクターをつなぎます。
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もともとつながっていた純正配線側(車両側)のコネクターは、スリーウインカーキットのコネクターにつなぎ直します。
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つまり、「スリーウインカーキットの配線が割り込んだ」状態ですね。
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あとは、ハーネスから出ている1本線に電源を取るだけ。
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電源はどこから?
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ヒューズボックスから取るので、この配線を足元奥から助手席側へと通します。
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そして、助手席足元のアンダーカバーを外します。
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ヒューズからIG電源またはACC電源を取ります。デンクル製品の場合は、車種別の説明書にどのヒューズなのかの位置情報も書いてあります。
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参考までにヤリスの場合だとどのヒューズでしょうか?
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シガーソケットのヒューズ。フタには「P/アウトレットNO.1」と記載されている15アンペアのヒューズです。
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あとは、ヒューズを抜いて、付属のヒューズ電源につなぎ替えるだけ。
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コネクターを外す順番さえ気をつければ、作業難易度は低めと言えそうです。
アンダーカバーは3箇所のツメを外せば、取れる。
✔ ヒューズ電源をはじめて付ける人は「ヒューズ電源の正しい付け方(取り出し)。向きに注意!!」参照。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) https://denkul.jp/
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