オートライト後付け完全ガイド(第5回)
オートライト取り付け方法╱配線の手順
後付けオートライトのユニットの配線
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今日は主に、後付けオートライトユニットの配線について解説します。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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なんか、ユニットからいろいろな線が出ていて、逃げ出したくなる人も多いかも知れませんが……
●レポーター:イルミちゃん
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ひも解けばシンプルです。オートライトの後付けは、電装品取り付けの中では比較的難易度が低めの作業なので。
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そ、そうですか?
そうは見えませんけども。 -
まず、全部をつなぐわけではない。不要な線があるので抜きます。ハーネスは汎用部品なので、不要な線も含まれているのです。
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茶色と黄色は、今回は接続しないのでマイナスドライバーで端子を押しながら引き抜きます。
※「純正ライトスイッチ優先配線」を行う場合は黄色を残す。純正ライトスイッチ優先配線については、「社外品のオートライトを後付けする前に知っておきたい話」参照。
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配線が減ったのは嬉しい♪
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なお、今回は「車速連動タイプ」のオートライトを付けるので、車速信号の取り出し線(灰色)を残します。でも通常タイプはこの作業はありません。
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付け方で、使う配線の数も変わってくる。……というわけで、本日のミッションは〈配線つなぎ隊〉に決定! ハットリ隊長、ヨロシクです。
オートライトに必要な電源の取り方
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電源は、常時電源とACC(アクセサリー)電源の2つが必要です。ユニット側の「赤」を常時電源、「橙」をACC電源につなぎます。
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常時電源もいるんですね?
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CEPのオートライトは、スイッチ操作で明るさの感度設定ができる。その設定はキーオフ(エンジンオフ)の状態でやるので、設定モード用に常時電源を取るのです。
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常時電源は、設定モード用なんだ。
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そして「黒」はボディアース用(↓)ですね。
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この3本の線は、純正配線から電源を取り出すので、純正配線の太さに合ったエレクトロタップを付けておきます。
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「エレクトロタップの正しい使い方」なども参考にしてくださいね。
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電源関連の線は、キーシリンダー周りの配線からまとめて取り出すことができます。
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どのみちハンドルコラムカバーを外して作業をしているので、キーシリンダー周りから取るのが早いですよね?
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ただし、ココは純正配線も太めの線が使われていることが多いので、その場合は、太線のエレクトロタップ(エーモン製なら青など)を使います。
検電テスターを使って純正配線の種類を調べる。「検電テスターの使い方」等を参照。
スモール出力線とヘッドライト出力線の仕込み
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ここまでで、「赤」「橙」「黒」が片付きました!
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これで、後付けオートライトの電源は取れます。次は「純正ランプを点灯させるための出力線」を解説します。
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ようは、暗くなったら後付けユニットが出力することで、純正ヘッドライトやスモールランプが自動点灯する。
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そうですね。で、スモール出力線が「緑」、ヘッドライト出力線が「緑/白」です。
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なお「灰色」(↑)は車速信号線なので、とりあえず後回しにします。
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あの〜、ハットリ隊長。ほかにも「紫」と「紫/白」が残ってるんですけど……この2本を忘れていませんか?
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その2本は特殊なので、わざとその説明を後回しにしたんです。
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忘れていたわけじゃないのか。
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ここからが重要! 前ページの作業で、ライトスイッチ根元付近で、ヘッドライト線とスモールランプ線の2本を見つけることができましたよね。
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と同時に、今回取り付けるムーヴの例では、「ヘッドライト線がマイナスコントロール線」で「スモール線がプラスコントロール線」ということも分かりました。
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そういえば、プラスコントロール・マイナスコントロールを判別しないといけない理由は、なんだったんだ?
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それによって、後付けオートライトのユニット側の仕込み作業が変わります。だから先に電源調査をしたのです。
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仕込み作業とは?
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まず、ユニット側の配線のうち、「緑」がスモールランプへの出力線だと言いましたが……
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つまり、「緑」を純正のスモールランプ線につなぐ?
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……そうなんですが、その前にやることがある。それが例の「プラスコントロールか? マイナスコントロールか?」問題。
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は、はあ。
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ユニット側から出ている「紫」がそれに関わっています。
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この線は、どの純正配線につなぎますか?
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純正配線には、つながないんですよ。
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では、どこに?
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同じくユニットから出ている「赤」(プラス線)または「黒」(マイナス線)に、つなぎます。
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「赤」または「黒」って。どっちかハッキリしてほしいのですが……
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純正のスモール線がマイナスコトロールだった場合は、「紫」を「黒」(マイナス線)に合流させるんです。
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では、プラスコントロール線だったら?
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「紫」は「赤」(プラス線)につなぐんです。
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へー。
分かるような、分かんないような……。 -
要するに、「紫」の配線は、「スモール出力線(緑)から、プラス出力させるのか、マイナス出力させるのか」を決める合図みたいなものです。
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つまり「緑」と「紫」はグルだったのか! 裏でツルんでいるんだ。
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え……?
ま、まあそうとも言えますね。 -
今回は「スモール線はプラスコントロール」だったんだから……
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「紫」は「赤」に合流(↓)させます。
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そして、「緑/白」のヘッドライト出力線から、プラス出力させるかマイナス出力させるかを決めているのが、「紫/白」です。
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つまり、「緑/白」と「紫/白」がグルなんですね〜。
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今回のムーヴは、「純正ヘッドライト線がマイナスコントロール線だった」ので、この「紫/白」を「黒」(マイナス線)につないでおくのです。
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これで仕込みが完了(↓)!
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プラス出力かマイナス出力か、選べるようになっているんですね。なるほど〜。
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そうなんです。車種によっては逆のパターンもあるし、どっちもマイナスコントロールだったりといろいろなので、こういう仕組みを取っています。
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前ページで紹介した純正配線の調べ方とセットで攻めれば、なんとかなりそうです。
コレとコレ
赤線にはヒューズが付いているが、ヒューズより根元(コネクター側)で合流させる。
純正のスモール線とヘッドライト線に割り込ませる
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仕込みができたら、前ページで調べた純正配線に割り込ませるだけです。
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ライトスイッチ関連の線は細線であることも多いので、その場合は細線用のエレクトロタップ(エーモン製なら白)を使いましょう。
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今回のムーヴでは、ライトスイッチの根元から、「スモール線」「ヘッドライト線」のほかに、「アース線」も取り出せました。
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配線がいっぱいあるからどうなることか思いましたが、ず〜っとハンドル付近の作業が続くから、意外とサクサク進みますね。
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そうですね。
でも唯一、車速信号線だけはそうは行きません。 -
ウッ! ここから先が山場? 〈配線つなぎ隊〉のミッションは、また次回に続きます。