東京オートサロン2018ルポ
液体フィルムスプレー最新事情
剥がせる塗料・液体フィルムスプレーの最新事情。キャンディカラーのバリエーションが増えるなど、どんどん進化をとげているので、DIYのアイデアもふくらみそう。また、いざ買おうとした時に意外と分かりにくい、水性・油性の違いなども解説。
液体フィルムスプレー・水性ならではのキャンディカラー
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東京オートサロンルポ、今日は「液体事情」に迫ります。
●DIYラボ レポーター:イルミちゃん
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なんなのよ液体って?
●DIYラボ別館:ユキマちゃん
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ココです、ココ(↓)
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なんなんだ!
この個性的過ぎるキャッチコピーは。 -
剥がせるフィルムスプレーの定番メーカー・TSM〈Sデザイン〉ブースです。
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あ〜、液体ってそういうことか〜。
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ココでは、液体フィルムスプレーの色つきキャンディカラーを展示してありました。
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キャンディって、フツウの色とどう違うの?
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透明感があって、ベースの色が透けるので、例えばメッキパーツに黄色キャンディを吹くと、ゴールドメッキっぽくなったり……
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あるいは、ウインカーレンズに黄色を吹いたり、もともとは透明のテールレンズを赤くする……などの用途でも使えます。
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へぇ〜。剥がせるフィルムスプレーも、どんどん進化しているのか。
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キャンディカラーは、最初はグロススモークという単色のモノトーンだけでしたが、今では色つきのキャンディカラーバリエーションが増えました。
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なお、重要なポイントとして「ラバー系ではなくフィルムスプレーだから、この透明色が出せた」とのこと。
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どういうこと?
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「剥がせる塗料」って、ひとくくりにしてしまいがちだけど、実際には液体ラバースプレーと、それの発展系として出てきた液体フィルムスプレーがあるのね。
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ラバーとフィルム?
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そうそう。TSMにも両方のラインナップがあって、液体ラバーのほうは、ゴムっぽい、もっちりした質感。
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フムフム。
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液体フィルムのほうは、硬めのビニールのような感じ。
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質感が違うのね。
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中にはラバー系なのにフィルムスプレーという表現が使われていたりすることがあるようですが、本来両者は別モノで、TSMのフィルムスプレーは水性(ラバーは油性)です。
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水性だと何かいいことあるの?
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いっぽう水性は溶剤が「水」なので、そういう心配はありません。(※水が蒸発して塗料が残る)
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そういえば油性と水性の違いすら、あんまり分かってなかったなァ。
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という人も多いと思いますが、大事な車に吹くので、用途に合ったものを選ぶのが理想。
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だからTSMも両方手がけているわけね。
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ラバーのほうが安いので、「値段だけで選ぶ」と水性ではない可能性が高い、という点は理解しておいたほうが良さそうです。
新色の「グロスイエロークリア」をメッキに吹いた例。
この4色が最新色
✔「油性には、溶剤にシンナー等が含まれています。例えばテールレンズに吹くと、油性のシンナーが樹脂を溶かしてしまう可能性があるし、塗れないことはないけれど、強度的にも経年変化しやすいです」。(TSM・岩井さん)
剥がせる塗料に続く新製品として、TSMが防水スプレーを開発した理由
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ところで、剥がせるフィルムスプレーの開発技術によって、副産物も生まれています。
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それは何?
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これ(↓)はTSMブースで見つけた、新製品の撥水剤(防水スプレー)ですが……
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一般的な防水スプレーと何が違うかというと、撥水に使う成分としてケイ素を使っている。
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フツウのは違うの?
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一般的な防水スプレーは、フッ素を使っています。でも、実はココにはデメリットもあるもよう。
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ようするに安全な防水スプレーを開発した、ということか〜。
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そういうことね。染みこむモノになら、木材でも布でも何でも使えるし、車用もある。
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これをファブリックシートやフロアマットに吹いておけば、ジュースなどをこぼした時でも、すぐに拭き取れば、シミにならずに済みます。
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塗料だけでなく撥水剤も出したのか〜。
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「剥がせる塗料」を研究してきたTSMだからこそ、その逆の「剥がれにくい保護」も得意っていう話なんですね、これは。
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な〜るほど。
液体保護スプレー
✔「フッ素は歯磨き粉などにも使われるため、安全なイメージがありますが、気体のツブになったものを吸い込むと、喘息になったり、呼吸困難になったりするリスクがあります」。
✔「防水スプレーによる事故が増えているため、フッ素を使わずに、撥水剤を根本から見直して、ケイ素を使いました」。(TSM・岩井さん)
TSMの「液体保護スプレー」
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