通好みの電装カスタム
「ヘッドランプ一時点灯機能」をリモコンで操る、アラウンドライトキットの取り付け方法
ヘッドライトが一時的に照明代わりになる「ヘッドランプ一時点灯機能」。これは純正では車内でしか操作できないが、デンクル・アラウンドライトキットがあれば純正リモコンでも操作可能になる。DIYで取り付けできるので、やり方を解説する。
デンクル・アラウンドライトキットの取り付けは、どんな作業?
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「純正の〈ヘッドランプ一時点灯機能〉を進化させる電装カスタム」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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それでは具体的に、デンクルのアラウンドライトキットの取り付け方法について解説していきます。
(↓)●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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どういう取り付け作業になりますか?
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次の3つの作業です。
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フムフム。カプラーオンだけでは済まないってことですね。
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そうですね。アンロック2回押しで「ヘッドライト一時点灯機能」を働かせるので、アンロック信号を取る必要があり、ここはエレクトロタップを使います。
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なるほど。
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電源はヒューズから常時電源を取りますが、エンジンがかかっているときは反応させない必要があるので、エンジンオンを検知する目的でACC電源も取ります。
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……ということは、ヒューズ電源が2個必要になる。
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ですので、アラウンドライトキットには、最初からヒューズ電源が2個付属しているんですよ。
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他のデンクル製品に比べると、やや複雑な気もしますが、普通の電装品に比べたらラクそう。
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ちなみにハンドルコラムカバーを外して、ライトスイッチのカプラーに割り込むところまでは、スリーウインカーキットの取り付けとまったく同じです。
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あのときと同じカプラーに割り込むってことか。
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そうなんです。
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……では、アラウンドライトキットとスリーウインカーキットを両方同時に付けることはできるのでしょうか?
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それは問題ありません。2つを連結するだけです。以前に、「カプラーオンの電装パーツは、同じカプラーに複数付けられるの?」で解説したのと同じ話です。
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それでは、アラウンドライトキットの取り付け方法にいってみましょう。
デンクルのアラウンドライトキット(第一弾はヤリス用)
工程① | ライトスイッチのカプラーに割り込む |
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工程② | アンロック線を取る |
工程③ | ヒューズから常時電源とACC電源を取る |
ライトスイッチ線のカプラーへの割り込み
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ライトスイッチ線のカプラーに割り込むために、ハンドルコラムカバーを外します。
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まずはネジ外しですね。
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ハンドルコラムカバーのネジは、まず底部にひとつ。
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それから、ステアリングを90度切ると、その奥にもネジがあります。
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反対方向にも、もう1本あります。
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そして、ハンドルコラムカバーを外しやすいように、ハンドルを一番手前にして一番上の状態にしておきましょう。
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ハンドルコラムカバーを外すには、左右から真ん中方向へ押し込みながら、引き下げます。
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左右から押し込むことでツメが外れる構造ですね。
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コラムカバーが外れると、ライトスイッチのカプラーが見えます。
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ただし、ライトスイッチのカプラーを先に抜くと、ヘッドライトが点灯しっぱなしになってしまうのは、以前にも解説した通りです。
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この場合はまず、手前の電源カプラーを抜かなくては。
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そのうえでライトスイッチのカプラーを抜きます。
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そして、アラウンドライトキットのハーネスをつなぎ直します。
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ここは正しい向きでしか差せないので、迷うことはありません。
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もともとつながっていた純正配線は、アラウンドライトキットのハーネスにつなぎ直します。
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純正配線に割り込んだ格好ですね。
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メインの作業はこれでおしまいです。
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次はアンロック線を捕まえましょう。
アンロック線、常時電源、ACC電源の取り方
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ヤリスの場合は、アンロック線は運転席キックパネル裏で取れます。
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ではキックパネルを取り外しましょう。
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順番としては、先にステップを取り外してから……
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キックパネルを取り外します。
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次にアラウンドライトキットのハーネスの中からオレンジの配線だけを取り、コラムカバーを外した裏を通して、キックパネル付近に持ってきます。
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そして付属のエレクトロタップを使って、アンロック線につなぎます。
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どの配線がアンロック線なのかは、アラウンドライトキットの説明書で車種ごとに詳しく解説しています。
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車種によって違うので、必ず説明書で確認を。
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あとはヒューズから電源を取るために、アラウンドライトキットの「赤」と「黄」の線を、助手席側の足元へと通します。
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赤が常時電源、黄がACC電源につなぐ線です。
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とはいえ、アラウンドライトキットに限らず、デンクルの電装品の場合は、検電テスターでヒューズを調べる必要はありません。
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そうですね。どのヒューズにヒューズ電源をつなぐのかは、車種別に説明書で解説しています。
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これで取り付けは完了!
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純正ではウインカーレバーのパッシング操作でしかオンにならない「ヘッドランプ一時点灯機能」が、リモコンのアンロック2回押しで作動するようになっているはずです。
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エンジンオフ状態でアンロックを2回連続で押して、テストしてみましょう。
工具は使わず、手で引っ張って浮かせる。
キックパネルは奥にネジが1本使われている。
✔ ヤリスを例にすると、「P/OUTLET」と書かれたシガーソケットのヒューズがACC電源で、「HAZ」と書かれているハザードスイッチのヒューズが常時電源となっている。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) https://denkul.jp/
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