ガレージのDIY
電動シャッターリモコンの後付け(リモコン化)方法╱前編
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電動シャッターのリモコン後付け(リモコン化)について、やり方を解説。リモコンが壊れた場合も、リモコンの数を増やしたい場合にも有効な方法だ。まず、作業を始める前に、どんな作業になるのかを知っておこう。
電動シャッターリモコンの後付けとは、どんな作業?
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「AC100Vをいじるなら電気工事士の資格が必要。では電動シャッターリモコン後付けはどうなの?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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ここからはいよいよ、DIYでの電動シャッターリモコン後付け方法を解説していきます。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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車のDIYと違って、なにをどうするのか、サッパリ分かりませんが……?
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カンタンに言うと、受信機を後付けする、という作業なんですよ。
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これ(↓)が受信機ユニットです。
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ちなみに、元からリモコン付き電動シャッターで、「リモコンが壊れた」とか「増やしたい」目的で後付けする場合でも、受信機を交換するのではなく、付け足すだけです。
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元々付いている受信機を、外す必要はないんだ。
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そうです。それはそのままで、エアリースターを増設するだけです。元々のリモコン受信機やリモコンと、併用できますので。

✔ コムエンタープライズのエアリースター。リモコン2個セットで1万3800円(税別)~という低価格で、電動シャッターのリモコン後付けが可能。

まずは電動シャッターの配線タイプを調べる
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受信機の取り付け場所は、いくつか考えられますが……
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フムフム。
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一番カンタンな取り付け方法は、壁に備え付けられた電動シャッターの手動スイッチ裏で配線作業する方法です。
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スイッチの裏って、どうやってアクセスするの?
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手動スイッチのパネルは、だいたいがネジ固定になっていて、ネジを取ればすぐ外れるんですよ。
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で、パネルの固定が外れると、こんな状態になります。
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ホホウ。
これがスイッチ裏の配線か~。 -
この配線に対して、受信機の配線をつなげる作業になりますが……。
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ナルホド、ナルホド。
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その前に、配線タイプを確認する必要があります。
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配線タイプ?
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ようするに電動シャッターの種類によって、配線パターンがあるんですね。
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フムフム。
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Aタイプ・Bタイプ・Cタイプ・Dタイプの、4種類が出てきます。
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配線パターンの違いによって、後付けするアイテムが変わるの?
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いいえ。取り付ける受信機は同じですが、配線のつなぎ方が変わってくるということなんです。
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なるほど。だから、取り付ける前に配線タイプを知る必要があるんだ。
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そうなんです。説明書には全タイプの配線図が書いてありますが、どれか分からなかったら選べないでしょう?
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そういうことね。
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実際のところは、ほとんど(9割以上)の電動シャッターがAタイプではあります。でも、念のために確認する必要があるのです。
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……で、それはどこで判別するんでしょう?


✔ このAタイプ、Bタイプ……という分類は、コムエンタープライズでの呼び方(エアリースターの説明書に出てくる)で、一般的な名称があるわけではない。
電動シャッターの配線の仕組み
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スイッチのパネルを外してみると分かりますが、スイッチにつながる配線は4本、ないし5本というパターンの電動シャッターが多いです。
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今回のモデルケースだと、5本の配線がありますね。
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ハイ。4本であることが多いので、これはちょっと特殊例です。
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そうなんだ。
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この電動シャッターは、スイッチが3ボタンで、配線が5本来ているタイプです。
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3ボタン?
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「開ける」「閉める」「停止」の3ボタン方式ですよね。
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ああ、そういうことか。
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この5本の配線の、どの色の線がなんの線なのかは、フタを開けたスペースのどこかに、構造図のようなものが記載されています。
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え、そんなのどこにある???
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今回のシャッターの例だと、ちょっと見えにくいですが、ココ(↓)
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あ!
なんか書いてある。 -
各配線の色と、それぞれの意味が書いてあるんですよ。
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この暗号を読み解くと……
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赤と青が「停止」、白が「開ける」、黒が「閉める」、緑が「共通」と書いてあるわけです。
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ホー。
つまり、それぞれのボタンとつながっているんだ。 -
そういうことです。
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でも、なぜ「停止」は2本なの?
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そこなんですが、今回の5本はちょっと特殊なケースで、普通は4本で、「停止」も1本です。
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フムフム。
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そして今回は、赤と青に「停」と書かれてはいるものの、実際の配線を見ると、青はすぐに緑と合流しています。
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あれ、本当だ。
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緑(共通)と合流しているってことは、青も共通線ってことなんで、とりあえずここでは青は忘れてください。
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……つまり、赤がホンモノの停止線ですね。
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そういうことです。
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ところで、「共通」ってなんのことですか?
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「共通」とは、例えば電動シャッターの「開く」ボタンを押すと、(開)と(共通)がつながって電気が流れるし……
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フムフム。
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「閉じる」ボタンを押すと、(閉)と(共通)がつながって電気が流れます。
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あー、どっちのスイッチを押した場合でもつながる相手だから、共通線ってことか。
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そういうことですね。
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それぞれの配線の意味はなんとなく分かりましたが……例の配線タイプの件は?
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そうそう。
それを調べるには、「停止線」に注目します。


拡大して見ると……

赤 | (停) |
---|---|
青 | (停) |
白 | (開) |
黒 | (閉) |
緑 | (共通) |

電動シャッターの配線タイプの調べ方
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今回の例だと、停止線は、赤の配線ですね。
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例の構造図を見ると、「赤はつながっている状態」なのが分かります。
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……?
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白や黒の線と見比べると、違いが分かります。白や黒は「つながっていない状態」の絵でしょう?
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あ、本当だ。
スイッチの線が、離れていますね。 -
ここで見るべきは「停止線」の赤だけですが、赤は普段はつながっている。
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ふむふむ。
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つまり、「停止ボタン」が押されると離れる……という仕組みスイッチなのです。
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ホー。この図は、ボタンを押したら離れるっていう意味なのか。
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そうです。そして、停止線が「ボタンを押すと離れるタイプ」だったらAタイプです。
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じゃあ、今回はAタイプ。
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ハイ。反対に、停止線が「ボタンを押すとつながるタイプ」だったらBタイプです。
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その場合は、配線の表記としては……
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普段は線がつながっていない、という図になっています。
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そういうことね。停止線の説明書きを見れば、判断できるんだ。
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そういうことです。
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……あれ、でも、さっきCタイプやDタイプもあるって言ってましたが?
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Cタイプの判別はもっとカンタン。構造図にダイオードマークが付いていたらCタイプです。
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じゃあ、Dタイプは?
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Dタイプはわかりやすい。スイッチがひとつしかない電動シャッターなら、Dタイプです。
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そんなのあるの???
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古い電動シャッターだとありますよ。
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ワンボタンで、どうやって開け閉めするの?
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開いていたら閉まるし、途中で押したら止まるし、閉まっていたら開きます。
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そういうことか。
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そういうタイプのシャッターなら、問答無用でDタイプですね。最近はほとんどありませんが。
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CタイプやDタイプは、判別が簡単でいいですけどね。
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しかし、最初に言った通り、現実には9割以上の電動シャッターがAタイプです。
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今回の電動シャッターもAタイプでした。
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……ということが分かったら、あとは説明書のAタイプ配線図にしたがって、線をつなぐだけです。
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ここからが本番か……。
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……というより、ここまで判別できたら、実際の作業はカンタンなんですよ。



✔ Cタイプの配線パターンだった場合には、付属の整流ダイオード(↑)を使うのだが、ほとんど登場することはない。
カンタンな分類としては、こうなります(↓)

A | ほとんどの電動シャッター |
---|---|
B | 窓シャッターや門扉等、基板になっているスイッチ |
C | ダイオード付きのスイッチ |
D | 1ボタン式スイッチ |

DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78