光るエンブレムの進化版!? 最新の純正レクサスエンブレムをライン発光させる技
光るエンブレム化した、最新の純正レクサスエンブレム。しかも従来の光らせ方とは違うライン発光で、より凝った精緻な印象だ。加工難易度は高くDIYはオススメしないが、「どうなっているのか?」知ることもまたDIYの楽しみ。
現行レクサスエンブレムは塗装なので、光るエンブレム化は無理なはず?
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球屋のレクサスUXデモカーなんですが、実はリアエンブレムが光ります。
●レポーター:イルミちゃん
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最近の車は、リアエンブレムにもセンサーが入っていたりするので出来ないことも多いですが……
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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センサー?
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例えばレクサスRXを例にすると、タッチでバックドアを開けるためのセンサーが入っています。
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センサーでバックドアが開くんだ。
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しかし、レクサスUXはそういうものは入ってないので、何か出来そうだな~と。
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なるほど……。
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レクサスUXというキャラクターを考えても、少し遊びゴコロを出してもいいかなと。
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それで、光るエンブレムをやってみたんだ。
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……と言っても、以前に流行った「光るエンブレム」の手法ではないんですよ。
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いまどきのエンブレムは、昔の手法では光るエンブレムにはできません。
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それはなぜ?
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そもそも純正エンブレム自体が、全部塗装なんですよ。
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どういうこと?
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レクサスの純正エンブレムは触ると半球体。この球面の裏面に凹凸があって、裏側から塗装されている、という作りなのです。
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エンブレムのメッキ部は、裏から見ると凹んでいるだけ。そこにメッキを吹いて、そのあと青でベース部分が塗られ、最後に黒で全面を覆っている……という作りです。
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つまり1枚モノってこと?
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そうなんですよ。1枚モノのクリアのお皿を、裏から塗装して立体感を出している、というカンジですね。
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ほー。
よく出来ているなぁ。 -
そういう構造になってしまったので、いわゆる光るエンブレムは作れなくなってしまったんですよ。
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なるほど。
では、これはナゼ光っているのか?
✔ ひとくちメモ
いわゆる「光るエンブレム」は、純正エンブレムを剥がし、車体とエンブレムの間に導光体(アクリル素材など)を挟む手法が一般的。
純正エンブレムの背面側の塗装を削って、光らせる技
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コレ、塗装面を削っているんですよ。
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光っているラインは、塗装を削った部分ってこと?
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そうなんです。エンブレムの背面側から塗装を部分的に(ライン状に)削っているんです。
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削った部分だけLEDの光を受ける。
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クリアのアクリルを削って、傷を入れると面発光するのと同じリクツですね。光源としては後ろに枠みたいのを作って、LEDを仕込んでいます。
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ナルホド。
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全部が手削りです。
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ひええ〜。
手作業なんだコレ。 -
ここは手でやるしかない。だから厳密に言えば、レーザー加工ほどの精度はないです。
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なんだかすご〜く難しそう……。球屋はドMな加工屋さんなので、それもまた悦び?
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塗料がめっちゃ分厚いので、削るのは大変です。初期段階は棒ヤスリぐらいの荒い番手で削らないと、太刀打ちできません。
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ほー。
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もちろん最後はペーパーですけどね。
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メッキの外側ギリギリのラインで、細~く削っていくんだ。
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最初に削っているときは楽しかったですが、2回目以降はやりたくないタイプの加工ですね。
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ワハハ。
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一歩間違うと、「ピッ」と関係ないところを削ってしまうリスクも大です。
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傷付けたら、そこも光ってしまって超目立つっていう……。
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マスキングはもちろんするんですが、マスキングで保護しきれるものではないし、エンブレム自体もそんなに安くはないし。
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失敗したらウン万円みたいなやつ。
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極度の緊張感を楽しみたい人以外には、オススメできない技です。
✔ 球屋・公式サイトのレクサスUXカスタムメニューでは、「イルミエンブレム」として公開準備中。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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