90系ヴォクシーのシーケンシャルウインカー加工を球屋が実現
90系ヴォクシーでのヘッドライト・シーケンシャルウインカー加工がメニューに加わった〈球屋〉からの最新レポート。加工後も十分に明るく、デザイン的にもハマるシーケンシャル化だが『重たい話』だけに、デメリットもしっかり解説。
90系ヴォクシー・シーケンシャルウインカー加工のメリットとデメリット
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少し前に、LED加工専門店の球屋が「90系ヴォクシーで実現できそうなLEDカスタムを検証」という話題を紹介しましたが、今日はその続弾です。
●DIYラボ:イルミちゃん
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構想の通りに出来たこともあれば、出来ないこともありました。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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まずは、どんなLEDカスタムが実現出来たのか? です。
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新型の90系ヴォクシーは普通の点滅ウインカーですが、シーケンシャルウインカー加工はできました。
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おぉ…!
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最近は純正でシーケンシャルウインカーは採用されなくなりつつありますが、カスタムする人達には今も人気があるので、やってみました。
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ヴォクシーはもともと横長ウインカーだけに、これはハマって見える。
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ここで、デメリットを先に言っておきます。
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え……いきなり、デメリットの話ですか? 森田節全開ですな。
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それは「純正ウインカーよりは明るさで劣る」点ですね。ただしこれは「暗い」という意味ではないです。
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視認性に問題があるような暗いウインカーしか作れないなら、球屋はボツにするもんね。
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そうです。シーケンシャルウインカー加工後も十分な明るさは出せていて、昼間見ても問題ない視認性はキープできます。
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ただ新型の90系ヴォクシーの、もともとの純正LEDウインカーって、明るさ的にはメチャ明るいんです。
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純正はごく普通の点滅ウインカーだけど、明るさは強い。
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比べると、加工後のシーケンシャルウインカーは明るさでは負けます。
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純正はなんでそんなに明るいんだろう?
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純正LEDウインカーの光源は一箇所なんですが、使っているのは最近のトヨタ車で定番的に採用されている小型で明るいパワーLEDです。
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それが分かっているなら、同じタイプのパワーLEDを使って加工すれば、純正と同じ明るさでシーケンシャル化できるんじゃないの、と思う人もいるかもしれませんが……
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放熱的に無理があります。同じタイプのLEDを、シーケンシャル加工で使うのは現実的ではないです。
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では今回のシーケンシャルウインカー加工で使ったのは?
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日亜化学のウインカー用パワーLEDです。
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純正にパワーで劣るとはいっても、これもパワーLEDではある。
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LED数はヘッドライト片側につき、19個並べています。
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そんなに入っているの?
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というのも、このパワーLEDであれば、そんなに放熱が大変ってこともなくて、大きなヒートシンクを使わなくても放熱できるんですよ。
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ホー。
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かつウインカーで点滅点灯だから放熱設計もやりやすい、というのもあるし。
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だからそんなに数を入れられたんだ。
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この意味では日亜化学のパワーLEDは扱いやすいです。熱効率がよくない海外製のパワーLEDだと、同じ明るさに持っていったときに、メッチャ熱くなったりするので。
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なるほど、なるほど。
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19個も入れたのは明るさを出すため。今回のような加工だと、LED数を抑えて明るさを出すのはしんどいです。
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ちなみに、純正の導光板をそのまま生かしているんですよね?
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そうですね。純正の導光体の後ろに、LEDを追加で入れて、それをシーケンシャル点灯させています。
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ふむ。消灯時の見た目は純正のまま。
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19個もパワーLEDを仕込みながら、後付け感がまったくないのが球屋らしい感じです。
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80系ハリアーの場合は、フロントウインカーをシーケンシャル化しようとするとどうしても加工跡が見えてしまったり、ポジション点灯(白点灯)時の発光にも影響が出るという理由で断念しましたが……
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新型90系ヴォクシーの場合は、ポジション(スモール)のラインと、ウインカーのラインが分かれていて、両者の間には仕切りの壁もあります。
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スモールのライン発光には影響は出ないんだ。
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そうなんですよね。そういう意味では手を出しやすいし、90系ヴォクシーの場合は、加工したLEDウインカーとしては明るさも出せているほうなんですよ。
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それならわざわざ冒頭からデメリットを強調する必要はない気もしますけど……
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う~ん、とはいえまぁ、純正の点滅LEDウインカーと比べたら明るさでは負ける。それは目に見えて分かるデメリットだと思うんで、言っておきたいのです。
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そういう話を、包み隠さず言うのが〈球屋〉の良さである、ということはフォローしておきます。
80ハリアーは、ポジション点灯するラインがそのままウインカーに切り替わる方式。
90系ヴォクシーのシーケンシャルウインカーにはもう一案あったが…
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それと今回はやっていませんが、90系ヴォクシーはデザイン的なことだけでいうと、ウインカーとポジションランプの位置を入れ替えても面白いかなとは思いました。
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ほう……?
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というのも、ポジション(スモール)ランプのところがブロック分けされているデザインじゃないですか。
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このブロック分けされたラインを、シーケンシャルウインカーのラインにするのも面白いかな~とは思ったんですけど……
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あ、それもいいかも!
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そういう加工はできそうではあります。……が、ひとまずは止めておきました。
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なんで?
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あくまでも「純正ウインカー位置でのシーケンシャル化」を最優先したかったということです。
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ああ、そうか。いろいろな意味で一番リスクが少ないもんね。
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上下加工となると、加工費用も増えます。ひとまずは「一番シンプルなシーケンシャルウインカー化をメニュー化した」ということですね。
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さて90系ヴォクシーのシーケンシャルウインカーは実現できましたが……この車のヘッドライトには、もうひとつ気になる要素があります。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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