LED自作コラム
4本足のフラックスLEDは今後どうなるの? 絶滅する日は近いのか?
フラックスLEDは、より進化したチップ型の登場で需要が減少。生産もなくなりつつある。しかし4本足フラックスLEDには「DIYでの製作自由度が高い」という、チップLEDにはない強みがある。そんなフラックスLEDは、今後どうなるのか。
4本足のフラックスLEDは自作ユーザーに人気だが……
-
「ルミレッズ・フラックスLEDがもうすぐ手に入らなくなるので必要な人は注意!」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
-
ルミレッズのフラックスLEDといえば、全盛期は、ショップにも自作ユーザーの方にも人気がありました。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
-
LEDテールランプの自作用途か。
-
ルミレッズのフラックスは「純正テールランプにも採用されている」ということで、信頼性が高かったためです。
-
なるほど。
-
当時の一般的な他のLEDに比べると、電流を多めに流すことができた(70ミリアンペア)ので、実際に明るかったというのもありますね。
-
普通の砲弾型LEDが20ミリアンペアだったことを考えると、確かに明るい。
-
現代は、その当時と比べたら自作需要は激減しているとはいえ、今でもまだ、こういったフラックスLEDを自作に使う人はいますよ。
-
ほう。今はチップLEDの時代になっているかと思いきや……
-
一般的にはそうでも、自作の世界では、チップLEDは扱いが難しいからです。汎用的に使える基板がないので。
-
チップLEDを用いた自作は、専用基板(※)が中心ですね。
-
自作は可能だけど……ユニバーサル基板のような自由度はない。
-
そうなんです。普通のユニバーサル基板にチップLEDを付ける手段もあることは、以前に解説しましたが……
-
しかし、これはちょっと特殊な手法ですね。余計な手間もかかるし。
-
ですから、4本足のフラックスや、2本足の砲弾型LEDを好むユーザーは今でも少なくはありません。
-
ある意味では貴重なんだ。
-
ただ、LED業界全体で見たときには、「一般的には需要がないからメーカーは生産を止めていく」流れです。
-
……今回のルミレッズの生産中止も、まさにその動きの一環。
-
そうですね。
-
では、今後はルミレッズに限らず、フラックスLED自体がどんどん入手しにくくなって……近い将来、絶滅するのでしょうか?
※例えば上は、3528チップLED用の専用基板。こういうものを使うことで、ルームランプやフットランプも自作できる。
4本足は扱いやすいし、砲弾型より明るさもある。
まだまだフラックスLEDの製造を続けてくれそうなメーカーもある
-
とはいえ、4本足のフラックスLED自体は、まだなくならないでしょうね。
-
なぜですか?
-
生産を止めていくメーカーが増えるという流れがあれば、逆に「他が作らないならウチが作る」というスタンスのLEDメーカーだってあるからですよ。
-
ホホウ。
それは例えばどこですか? -
自作市場では定番のオプトサプライなどは、まさにそういうスタンスのメーカーですよ。
-
昔は、こういった中国製LEDよりルミレッズのほうが明るかったですけど、今は、オプトサプライのフラックスLEDも高電流版になっていて明るいですしね。
-
そっか。……では、ゼロから自作する人が、フラックスLEDの入手に困る心配は、まだしなくていいんだ。
-
それはまだしばらく大丈夫だと思います。しかし、四本足のフラックスLEDや、昔ながらの砲弾型LEDを、普通に製造してくれるLEDメーカーはどんどん減っているのは確かです。
-
普通に製造してくれない、というのは?
-
まとまった数の大口注文でないと対応してくれない、ということです。
-
そういうことか。
-
少ない数だと、メーカーとしては生産体制を作っても採算が合わないんでしょうね。
-
マニアックな自作の市場規模では、厳しいものがあるな。
-
そうですね。だからこそ、自作市場で人気のあったLEDが製造中止になるタイミングでは、最終ロットで多めに発注して在庫を持つようにはしています。
-
メーカーが製造中止になっても、エルパラみたいな大型の通販屋がしばらくクッションになってくれるわけですね。
-
……ただ、在庫限りには違いないので、いつまであるかは保証できませんけどね。
-
今後フラックスLEDを買うときは、「切れたときの予備」ぐらいまでは買っておくのがオススメです。
オプトサプライのフラックスLED。写真はウインカー用としてよく使われる、ウルトラフラックスLED イエローオレンジ「LP-6YKAZ2C1P」
関連記事