通好みの電装カスタム
ミツビシ車で支持される後付け電装品「オートフォグキット」がニッサン車・サクラにも対応
オートフォグキットという、地味に売れている電装品がある。これはもともとミツビシ車用で、言ってしまえばミツビシ車以外は必要のないものだった。それがニッサン・サクラにも対応したというのはどういうことなのか。ちょっとした電装マメ知識が摂取できるコラム。
ニッサン サクラとミツビシ eKクロスEVは、フォグスイッチが自動オンにならない
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コムエンタープライズが新たに開発した電装品・オートフォグキットについてです。
●レポーター:イルミちゃん
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新製品として開発したのはニッサンのサクラと、ミツビシのeKクロスEV用モデルなんですが……
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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もともと「オートフォグキット」は、ミツビシ車用で出していました。
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そんなのあったんですね?
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ええ。以前から地味に売れている電装品です。
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適合がミツビシ車用だけなのに売れ筋だったと?
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そうなんですよ。つまり、なかなか装着率の高い後付け電装品と言えます。
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オートフォグキットは、どんな機能があるんでしょう?
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ミツビシ車のフォグスイッチは、他メーカーとは制御が違っているんです。モーメンタリ式スイッチ(※)を採用していて、ヘッドライトオン時は毎回オフの状態から始まります。
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他メーカーの車だと一般的にはオルタネイト式を採用しており、フォグスイッチのオン状態は保持されます。つまり前回フォグランプを点灯していたとすれば、ヘッドライトオン時にフォグランプも自動点灯します。
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ミツビシ車は毎回手動でオンにしない限り、フォグランプが点灯しないのか。
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自動車メーカーとしてはおそらく、フォグはあくまでも悪天候時のための補助ランプだから、そういう制御にしているんでしょうけどね。
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フォグランプの原則からすれば、ミツビシ車の制御が望ましいとは言えるのかも知れませんが……とはいえ、最近の車のフォグランプは明るさも抑えられていて、実質的にはイルミネーション化しているから……
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フォグスイッチオン状態が保持される仕組みを採用している方が、標準的です。
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ミツビシ車だけ独特なのね。
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なのでフォグランプスイッチを一度オンにしたら、一般的な車と同様に、それが保持される制御に変更するのが「オートフォグキット」です。
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逆に言うとオートフォグキットは、ミツビシ車以外は必要のない電装品だったのか。
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そうなんです。ところが今回のサクラはニッサン車ではありますが、ミツビシ車の流れを汲んでいて、フォグランプの制御もミツビシ車に沿った作りに変更されました。
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電装系はミツビシ車の設計なのかな。
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いや、車両配線図などを見ると電装系統はあきらかにニッサン車の作りではあるんですよ。
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へぇ……。
(さすが配線図で車を見る人……) -
しかし他のニッサン車と違って、サクラからはフォグスイッチが自動戻り式になっているのです。
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そこはミツビシ車の思想に沿った仕様だ。
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で、あるユーザーの方から問い合わせを頂いたのです。「サクラがこういう制御になっているけれど、ミツビシ車用のオートフォグキットを付けられませんか?」と。
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あー! それが今回の開発のきっかけになったのね。
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はい。今までのミツビシ車用のオートフォグキットでは、ニッサン車の電装の流れを汲んだサクラ、そしてミツビシのeKクロスEVには適合させられなかったので、専用に開発しました。
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……もしかして今後のニッサン車は、自動戻りフォグスイッチが増える可能性がある?
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未来のニッサン車がどうなるかは現時点では不明ですが、これからニッサン車で同じ流れの車が出てくる場合は、適合車種を追加していきたいと思います。
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細かいニーズに着目して形にするあたり、何ともコムエンタープライズらしい電装品と言えます。
コムエンタープライズのサクラ・eKクロスEV専用 オートフォグキット
従来からあるオートフォグキット・ミツビシ車用
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78