イルミとニョロ
『電気は苦手』だったイルミちゃんが
基礎知識を学んでDIYラボに就職するまで
第2話◆ニョロの妄想
ん……朝か。
ココはどこ?
ああ、そうか。
昨日、あの女の子に助けてもらったんだ。……ということはもしかして、ココはあの子のお家?
なんかさっきから音がするけど…… そうか! あの子が朝ゴハンを作ってくれてるんだ。 もしかしてお味噌汁とかかなぁ。
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あ、目が覚めたのね。
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う、うん。昨日は助けてくれてありがとう。
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仕方ないからケガが治るまでは、ウチにいていいわよ。
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ほんとに!? やった!
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……というわけでさっそく作ったわよ。 起きられる? ケガは平気?
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うん。大丈夫。
それよりありがと……朝ゴハンまで。 -
は? なんのことよ?
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え……何か作ったって、朝ゴハンができたんじゃないの?
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あはは。作ったのはコレよコレ。
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ん?
……何コレ犬小屋? -
なにって「ニョロのおうち」よ。 まさかヘビといっしょに寝るわけにもいかないから、徹夜で作ったのよ。 私、寝てないんだからね!
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え、これ、イルミちゃんが作ったの???
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そうよ。私こういうの得意なのよー。大工しごと系。
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それじゃあさっきのトントンって音は……。
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クギ打ってたのよクギ。
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……味噌汁じゃなかった。
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フン、夢見がちね。
なに勝手な妄想してるのよ。 味噌汁なんて、生まれてこの方作ったことないわよ。 -
……ぜんぜん家庭的じゃないぃ。 (もしかして痛恨のチョイスミス?)
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なに言ってるのよ!
私が〈家〉を作ってあげたんだから、ゴハンを作るのはむしろアンタの仕事でしょう? -
……え? ぼ、ぼく?
タダで住まいを提供しているんだから、それくらいはしてもらって当然。私は仕事で遅くなるから。
今晩から
よろしくね
ニョロ♪