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純正HID車が社外HIDに換える意味はある?

純正ヘッドライトがハロゲンなら、それをHID化することで「極端に明るくなる」利点がある。しかし純正でHIDが付いている車の場合は、それを社外品に交換する意味はどこにあるのか?


純正HIDは明るいが黄色っぽい

純正HIDの色温度は4300ケルビン付近が多い

  • 市川

    純正でHIDが付いている車に対して、社外HIDに交換する意味としては「色を変える」というのが一番大きいです。

    ●アドバイザー:IPF 市川研究員

  • イルミ

    純正のHIDは黄色っぽい白ですもんね。

    ●レポーター:イルミちゃん

  • 市川

    純正HIDの色温度は4300ケルビン前後のものが多いです。これは昔からそうですね。

  • イルミ

    そこでケルビン数を上げることで、純白や青白光へと変える、ということですね。

  • 市川

    そうなんですが、ここでひとつ難しい問題が出てきます。一般的には、ケルビン数(色温度)が上がるほど明るさは落ちるという傾向があるからです。

  • イルミ

    ということは、白や青白に交換すると純正HIDより暗くなってしまう?

  • 市川

    バルブの明るさを示す「ルーメン」の数値でみるとそういう傾向があります。

ルーメンとはバルブが発する光の量を数値化したもの

  • イルミ

    そっかー。ハロゲン車のように「明るく&白くなる」ならいいけれど、純正でHIDだとそのへんが悩ましい。

  • 市川

    とはいえ路面が白っぽくなることで「明るさ感」は出てきます。人間の目には明るくなったように感じますよ。

  • イルミ

    確かに白いほうがキレイだし、見やすい気がします。でもじゃあ、なぜ純正は黄色っぽくするんだろう?

  • 市川

    ええっとですね、白いほうが明るさ感が出るの確かですが、これは「雨が降っていない夜間」での話なんです。

  • イルミ

    ほほう。雨が降ると話は別なんですね。

  • 市川

    雨天時は路面が濡れているので、波長の短い光(白や青白)は路面に届きにくくなります。つまり、見づらい。

  • イルミ

    そう言えば青白HIDを入れている人は雨の日はとても見づらいって言いますよね。波長うんぬんとか科学的な根拠があるのか。

  • 市川

    波長の長い光のほうが、路面の水に乱反射しにくくなって地面に届く量が多いので、「色温度は低めのほうが見やすい」ということになってきます。

  • イルミ

    「黄色が悪天候に強い」と言われるのはそのためですか?

  • 市川

    そうですね。一長一短あります。そして純正HIDは、当然のことながら全天候型で考えて作られています。

  • イルミ

    そのバランスを変えて、「見た目のキレイさ」と「晴天時の明るさ感」を重視しているのが社外HIDバルブってことか。

ルーメンを下げずに色温度を上げるのが最新トレンド

純正HID 4300K 3200ルーメン

ハイルーメンHID 6000K 3200ルーメン

IPFのハイルーメンHID「60D2H」

社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉YouTubeでも解説しています。

IPF・市川哲弘

DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。

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