バルブの種類│フォグランプ編

フォグランプのバルブの種類をおさらい。年式が古い車に使われているのがH3、HB4、H11。それよりは世代的に新しいH8。そして最新世代のH16、PSX24W、PSX26W。「エコ」の名の元にどんどん消費電力が下がる傾向だが、この純正フォグの特徴＆スペックは知っておくとドレスアップの役に立つ。

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  車のランプのバルブにはいろいろな種類（バルブタイプ）がありますよね〜。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日はフォグランプのバルブタイプの種類と、その違いについて解説します。

  ●アドバイザー：IPF 市川研究員

自分のフォグの種類はバルブ後部を見れば分かる


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  ちなみに『なぜ純正バルブの解説なんかするの？』と思う人もいるかもしれませんが……

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  純正フォグのスペックの違いを知っておくと、ドレスアップの役にも立つのです。

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  例えば『最近のフォグはHIDを入れると溶ける』などと言われますが……

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  そんな事態が起きるフォグと、起きないフォグの違いも分かりますよ。

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  今回の記事はフォグランプに特化していますが、フォグランプだけでもいろいろな種類がありますよね？

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  H3、HB4、H8、H11、H16、PSX24W、PSX26W……などですね。

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  なんでそんなに増やすんだろう。……電気が苦手な人へのイヤガラセ？

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  バルブタイプって、年代によって移り変わっていくんですよ。最近の主流は、普通車はH16。軽自動車はH8です。でも、少し前まではH11だった……という具合なんですね。

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  何が違うんでしょうか？

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  重要なのは、消費電力の違いですね。

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  後付けでLEDやHIDを入れる人にとっては、純正の電球（ハロゲンや白熱球）の消費電力なんて、どうでもいい気がしますが……

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  ところが純正の消費電力によって、灯体の耐熱設計が違います。つまりもともと消費電力の小さいフォグにHIDを入れると、リフレクターが溶けてしまう。

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  そういえば……。そのあたりは「フォグランプのLED化とHID化を比較」でも話題になりましたね。

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  逆にちょっと年式が古い車で55Wクラスのフォグランプが付いているなら、HIDを入れたからってリフレクターが溶けることはないです。HID化の上方散乱光などの問題点は残りますけど。

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  というわけで、皆さんも自分の車のフォグランプの種類は知っておくといいですよ〜。

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  年式の古い車だとH3、HB4などが使われています。今回紹介する中で、年代的に一番古いのがH3ですね。今の車では使われていません。

H3フォグ

H3は昔の車が使っていたフォグバルブ型式で、消費電力は55W。最近のバルブとは異なり、バルブ自体には防水パッキングが付いておらず、後部のゴムキャップで防水する仕組み。そのためバルブ後方スペースが狭い。ここがネックとなり、明るいLEDバルブの開発を困難にしている（放熱ができない）。ドレスアップベースとしては不利なフォグだ。



HB4フォグ

これも以前の車で使われていたバルブ型式だが、HB4は比較的長い時代使われていたため、今でもHB4フォグの車に乗っている人は多いはず。IPFの最新型のLEDバルブなどもHB4タイプが用意されているのは、それなりにニーズがあるため。フォグ用のHB4バルブの消費電力は50W。



H11フォグ

最近はヘッドライト（ロービーム）で使われるのが定番のH11だが、以前はフォグランプでも多かった。消費電力が55Wと大きく、金属製リフレクターとガラスレンズの組み合わせで灯体が作られており、HID化しても熱で溶ける心配はない。


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  以上のように、昔のフォグランプは消費電力が大きめだったのです。

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  つまりハロゲンの純正フォグは、今より明るかったんですね。

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  そうですね。それと同時に、その熱量に耐えられるように、例えばリフレクターが金属製だったり、レンズもガラス製だったりする。だから、35WのHIDを入れることもできました。

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  なるほど〜。

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  しかし、次に登場するH8あたりから消費電力が大きく下がります。この頃から、「純正フォグが暗くなった」と言われるようになります。

H8フォグ

比較的に新しい世代のフォグランプバルブの型式。消費電力は35Wに下がった。主に軽自動車のフォグバルブとして超定番だが、普通車での採用例もある。バルブ本体を付けて回転させることで、ロックと防水ができるスナップ式。なので交換作業がラク。


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  H8世代になって消費電力が下がりましたが、いちおう、まだ35W。それなら同じ35WのHIDを入れても、熱的には大丈夫？

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  HIDは一点に集中する熱量が大きいのです。なのでH8世代からは、35WのHIDを入れると灯体側が溶けたり曇ったりするトラブルが発生します。

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  ハロゲンとHIDでは、同じ消費電力でも熱の出方が違うんだ。

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  HIDを入れるにしても、フォグ用の25W-HIDにしておいたほうがいいでしょうね。

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  省エネ型のフォグはやっかいだなー。

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  そして最新型のフォグバルブになると、消費電力はさらに下がっていくことになります。

H16フォグ

最近の主流になりつつあるのがH16。最初はトヨタ車から採用が始まって、今は広く拡大している。消費電力は19Wと極端に小さくなり、明らかに暗い。その代わりリフレクター、レンズ共に樹脂製で大幅に軽量化。19Wに合わせた熱設計なので、HIDなどを入れると熱で灯体が溶ける。



PSX24Wフォグ

PSX24WもH16同様に、新しい車が採用している。車種は限定的で、86、BR-Z、インプレッサなどに限られる。消費電力は24W。W数ではH16よりは上なのだが、純正の電球はハロゲンバルブではなく白熱球なので、実際の明るさはほぼ同等クラス。これもHID化NGのフォグだ。



PSX26Wフォグ

PSX26Wは、日本車だと現状ではハイエースのみが採用しているという。消費電力は26W。PSX24Wと名前が似ているが、バルブの固定方式は異なる。PSX26Wは、H8やH16などと同様のスナップ式（回転させてロックするタイプ）となっている。


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  新しい世代のフォグバルブH16、PSX24W、PSX26Wは、消費電力が小さいのが特長です。

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  消費電力を抑えるのは、エコだから？

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  発熱量が減れば、灯体を樹脂で作れるので軽量化がはかれます。それがバンパーの軽量化にもつながるので、結果的には燃費にも影響します。

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  自動車メーカーがフォグの消費電力を下げる理由は、燃費なんですね。

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  そうなんですよ。だから『最近のフォグは暗い！』と言う声をよく聞くんですね。

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  そうなると、明るい社外品のバルブを入れたくもなりますが……

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  小さい消費電力に合わせて作られた樹脂リフレクターレンズだと、HIDを入れたらすぐに灯体が溶けてしまう。

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  つまり消費電力の小さい現行世代のフォグランプは、現実的にはLED化するしかないってことですね。

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  そういうことです。LEDバルブは発光効率がいいので、消費電力は純正電球よりさらに下がって、なおかつ純正より明るくできますよ。