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インタビュー


車検に通すプロ「公認車検屋」とは?

公認車検屋・越川さん

車検を気にする人が増えている。多少なりとも車をいじっているユーザーにとって、『自分の車は、車検に通るのか?』は非常に気になる問題だ。しかしネットで調べても、今ひとつあいまいで、答えが見つかりにくい。そんな中、DIYラボのアドバイザーに「公認車検屋」越川氏が就任した。


今回は越川氏の本業「公認車検屋」の仕事について、話を聞いた。 公認改造登録車のうけ負い件数は、年間800台ほど。リピーター多数。まさに車検に通すスペシャリストだ。車に対する思いも熱い。

公認車検屋・越川さん

公認車検専門店
TIC
代表・越川 靖氏


※DIYLabo内では「越川研究員」(↓)

DIY Laboアドバイザー:越川 靖
公認車検専門店「TIC」代表。公認申請歴26年のベテラン。「車好きが堂々とカスタムカー・改造車に乗れるように」と使命感を持つ。自身も大の車好き。車検完璧対応のワンオフマフラーを自ら溶接する、職人系の公認車検屋。●TIC(http://www.tic-group.jp/index.html)

「車検を気にする人」が増えている

「車検を気にする人が増えた」……車業界で、そんな声をよく聞くようになって久しい気がします。逆に言うと、昔は車検を今ほどは気にしていなかったということでしょうか。

越川:ひと昔前は、カスタムカーや改造車といえば、いわゆる「アウトロー」な世界でした。アウトローなことをやっている意識が、ショップにもユーザーにもあったんです。

越川:でも今は違う。ここ5年〜10年でそういう意識は薄れて、車をいじることが、普通にひとつの趣味として確立してきた感がありますね。「アウトロー」ではなく、ごく普通の車好き。普通の人が、いじった車(=改造車)に乗っている時代になりました。

だから、当たり前に「車検が気になる」ということなんですね。

越川:こんな時代だからこそ、「公認車検」の需要が増してきていると思います。皆さん、法的なこと、車検のことを気にしているので。


公認車検は堂々と車の趣味を楽しむためにある

「公認車検屋」とは、具体的にはどういう仕事ですか。何をしてもらえるのでしょうか。

越川:車いじりの最後のお手伝いをさせて頂く仕事です。例えば「足まわり」。純正エアサスから車高調に変更とか、社外アーム、リアアクスルの変更など、改造申請が必要なケースですね。具体的には改造した部分を申請して、車検証の記載変更をします。そうしないと、公道を走れません。

足まわりで改造申請が必要な例

✔ 純正エアサスから車高調に変更
✔ 純正アームから社外アームに変更
✔ 純正リアアクスルからJ-LINEリアアクスルに変更

車検に必要な書類を整える。それが「公認車検屋」の基本の業務だが、さらに越川研究員のお店「TIC」は、自社工場で高度な作業ができるのが強み。

越川:そのままでは車検に通らないと判断できる場合、車検に通るようにマフラーやフェンダーを、ウチで改善加工することもあります。

越川:改造公認だけでなく、並行輸入車登録に関わる案件もやっています。車検に通るためのセッティング変更、各種試験(排出ガス試験・加速騒音試験・制動試験・各種強度試験・耐久試験)も、ワンストップで完了しますよ!

越川研究員自身が車好き・レース好きなので、エンジンスワップや触媒加工(マフラー)にめっぽう強いのも特徴。そして法規に通じる文系的な面だけではなく、車検完璧対応のワンオフマフラーをバチバチと溶接したりもする、職人系の「公認車検屋」なのである。

越川:車が好きで改造する。でも車検が心配。改造が、何となく後ろめたいというか、国からおとがめを受ける……的に感じる人が、今、多いと思います。そういう意識を払拭するのも、「公認車検屋」の仕事だと思っています。

合法的に排気効率を追求したマフラー、エンジンスワップも任せてください!


TICは東京の会社だが、お客さんは北海道から沖縄まで全国区。

越川:年間800台くらいの車検に関わります。そのため、僕自身がライン(陸自や車検場)に持ち込む件数は限界があって、多くのケースでは書類サポートをさせて頂いています。実際に車検場に持ち込むのは、各地のショップさんです。

TICが書類を作成、ショップが車検場に出向くかたちなんですね。

越川:ある意味「分業」。その方が、費用を安くもできます。そして、『公認対応をまっとうにやっているお店』という口コミが広がると、そのショップに車が集まってくるようになる。いま、各地でその傾向が見られます。

今どきの「車検を気にする、普通の車好き」のニーズに、ショップと連携で応えていくわけですね。

越川:「車好きが堂々とカスタムカー・改造車に乗れるようにする」。それは僕ら公認車検屋はもちろん、車の作り手である各地のカーショップさんとの、共通の使命だと思っています。


「公認車検屋」は法の改正にも影響を与えている!?

リアアクスル交換など、法規ができた時点で想定外のパーツの扱い

越川:車の状況は変わります。例えばLED。光源の仕組みが、法律ができた時代とは異なるので実体と合いません。このような新しい技術が出てくると、法も改正されていきます。

「流れるウインカー」が車検に通るようになった(2014年10月〜)のも、LEDが車のライトの光源に使われるようになったから、でした。

越川:足まわりに感心が高い人に人気の「J-LINEリアアクスルキット」も、法規ができた時点では、想定外のパーツですね。

コレがJ-LINEリアアクスルキット

従来にはない新しいローダウン手法

そして装着するユーザーは、「これは車検に通るのか」が気になります。

越川:J-LINEのリアアクスルは、TICで改造公認申請を担当しました。車種ごとに各種強度試験、耐圧試験をしてパスした結果、車検に通るれっきとした合法パーツとして、国に認定されています。ただし、コイルスプリングのような指定部品ではないので、交換後の記載変更の届け出は必要ですが。

「J-LINEリアアクスルは合法パーツ」。公認車検屋とは、このような新しい認可の成立に、多大にからむ仕事でもあるんですね。

越川:基本的にはショップさんが作った車を、車検に通すためのお手伝いをする。それが「公認車検屋」の主な仕事ですが、J-LINEリアアクスルのように、メーカーと連携して、国の認可を受けられるようにすることもあります。

ユーザーが直接、自分の車の公認車検をお願いすることは?

越川:もちろん受け付けています。ただ、現状のTICは、全国各地のショップさんからの業務で日々追われています。そのため、どうしてもお時間を頂くことにはなってしまいますが、期間に余裕があれば受け付けていますよ。


ローカルルールは確かにあるが、本来の線引きはひとつ

「検査員の見解によって異なることがある」とはどういうことか

車検の話でよく出てくる「検査員の見解」って何でしょう。あと「検査場によって結果が変わる可能性がある」、という説もありますが……

越川:見解が変わる、ローカルルール的なものは、確かにあります。日本は民間車検場が半分以上。設備も統一ではありません。そこは、車検の永遠の課題というか、わかりにくいと言われるところです。

越川:さらに「どこまで見るか」で変わってくることもあります。新車の判定は当然ですが、検査項目が多いです。しかし継続車検の場合は、保安基準、環境の基準値を単に確認するのか、あるいは車としての技術面まで判定確認するのか……といったことですね。で、どこで線を引くかというと、現状の継続車検は「安全」と「環境」の確認作業がメインでしょう。

越川:車検はもともとの法律があって、途中、規制緩和があって、さらに指定部品の制度、EU指令など、さまざまな取り決めが加わっています。

いろいろな要素が加わって、複雑になっているんですね。

越川:どれを重視するかでも、結果が変わる可能性はあります。とはいえ、本来の線引きはひとつ。改造申請が必要な変更を行ったら、公認車検屋にあらゆる公認申請を相談してみてください。


「持論ですが」車の改造は別に反社会的なことではない

越川:実際、色眼鏡で見られたりはしますけれど、車の改造は別に反社会的なことではありません。荷物の宅配の車だって、レッカー車だって、救急車だって、改造した車です。「改造車」がないと、世の中成り立たない。仕事の改造車はよくて、趣味の改造車はダメという決まりはないのです。

注)越川研究員の改造車の定義、かなり広いです(笑)。

越川:極論ですが、消防車なら何をしてもいいわけじゃない。いろいろ基準を満たしていない消防車と、ギリギリでも保安基準を全部クリアしてきたワルっぽい車が車検場に来たら、どっちを通しますか?

……なぜでしょう。迷いました。つまり、これが色眼鏡ですね。

越川:そのケースでは、ワルっぽい車の方を、良しとする。法律とは、そういうものです。法の番人は、色眼鏡で見てはいけない。それでは法治国家として成り立たないのです。

DIYラボでは、熱い車好き!でもある「公認車検屋」越川研究員をアドバイザーに迎えて、「車検に関する記事」を、これから順次発信予定。わかりにくかった車検を、わかりやすく解説します。

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